魔法少女まどか★マギカ 第3話

 いや、マミもほむらもまどか達に十分考える機会を与えているんだよな。
 うーん、あまりにも話題になっていたので、マミが退場するって展開はわかっていたんだけど、ネタバレのせいか衝撃はあまり無かったな。というか、戦いの世界がギスギスしてたし、マミ自身が魔法少女をあまりいゝものだと感じていないことが明かされたり、敵の攻撃にひるんでいたりと、ちゃんと手順は踏んでるわな。魔法少女を日常生活上のトラブルシューターと考えると、確かに人の生き死にはやりすぎとなるんだろうけど、バトル物だろ?。少年向きならともかく、大きなお友達向けにこの展開がやりすぎだとは思わないがな。中高生向きだとしても違和感無い。
 マミもほむらも、まどかゞ強いと言っているが、フツーに考えるとその源泉は動機にありそうだわな。マミは経緯からして別に魔法少女になりたかったわけでもなくって、事故に遭うことさえなかったらなりたくもなかったと考えるべきだろう。さやかもアレだしな。で、ほむらもまだ明かされていないが、やはり積極的に魔法少女になりたかったわけでもないんだろう。彼女たちは願い事をかなえることが第一義であって、魔法少女になることは本義ではない。キュウべえにしてみれば、たった一つの願い事を叶えるだけで、あとはそいつの人生を魔法少女として一生タダ働きさせることができるわけなんだから、そりゃ契約を急かすわな。ていのいゝ奴隷が手に入るんだもの。
 でも、まどかは魔法少女になること自体が動機だから、他の三人のように願いをかなえてもらったら、あとは魔法少女という苦役を我慢するということがない。まどかの母親も生活のためだとか内容がとかといった理由ではなく、頑張る自分が好きだという動機で仕事をやっている。まぁ手段が自己目的化しているから、自分のやっていることの定義に疑問さえ抱かなければモチベーションが下がることはありえんわな。
 で、今のまどかのあり方からするとありえないんだけど、手段が自己目的化していて、しかも認知欲求が高い人間だと、一歩間違えると自己顕示欲の肥大化した困ったチャンに簡単になってしまうわけで、そこらへん難しいところではある。いや、まどかの母親の描写にしたって、まどか父は決して妻のそういう生き方に共感しているわけではなくって、見守っているだけである…とか、まどかゞマミに動機を語る場面にしたって、純真ではあるんだけど現実を知らない甘ちゃんである…とか、演出には気を配っている。
 まぁ面白いのはキャラの台詞にはたっぷりと含意があって、これ素直に受け取っているとミスリードに盛大に引っ掛かることになるな。ほむらなんて本心は違うんだろうけど、こう言わせているんだろうなと想像できるしな。あ、そうそう、今回の魔女にしたって多分生死に関わる大手術を控えて自分が助かるために魔法少女魔女になる契約をした…お菓子の描写からすると多分子供…んだろうなと予想できるわな。丁寧だよ。
 見ていてスッキリする物語でもなくって、じゃぁ話題をさらうほどオリジナリティがあるかと言えばそうでもないんだけど、そこそこ楽しめるかなと。