閃光のナイトレイド 第8話

 予言者じゃなくって、ちゃんと預言者と設定してるんだな。まぁ神から預かった言葉通りの展開になったら、予言者と変わりはなくなるわけなんだが。
 ちょっと前まで満州帝国 (1) (文春文庫 (141‐13))を読んでいて、3巻の途中で止まってる。溥儀はとても高慢な性格で、自分が皇帝であることに非常にこだわっていたという前知識があると、今回欧米人は礼儀をわきまえないものが多いという台詞がどういう心境で語られたのかがわかって面白い。まぁそういう溥儀の願望ももしかしたら以降の展開で描写されるのかもしれないな。
 全編にわたって展開される各キャラの想いってのが上手く繋ぎ合わされていて、最後の雪菜の誘導や葵の飛び出しで最高潮に盛り上がるのがすごいロマンチックだったねぇ。相手を確認するのはほんの一瞬で事足りるってのも胸にクるものがある。葛はまぁいいとして、荒っぽい葵や子供っぽい雪菜の台詞や行動にも品が感じられてなぁ。会話の一つ一つを聞いても彼らが何を考えて語り、それを聞いた相手がどう考えて返答するのか?というところまで考えさせられてしまう。
 さて高千穂勲の行動なんだが、これも色々考えさせられるよな。タクリマカン砂漠は新彊地区なので満州国とは離れているんだが、あの爆弾を目にさせることで「満州国成立に不利な証言をするのなら黙っていないぞ」という恫喝のようにも思える。でも桜井機関が勲を敵視しているようなので、実は勲は満州国もしくは日本軍とは関係ないわけだろ。彼はあくまで植民地解放のために恫喝しているわけで、で、多分そっちが本命なんだろうけどな。
 まぁまずあの新型爆弾が原子爆弾なのは間違いないとして、使い方がうまいよな。原子爆弾に各国が目を向けるだろうとか、口止めの効果とかいろいろ考えて行動している。非凡な才能もしくは材料を持ってはいるんだけど、プレーヤーとしてはあまりにも非力で、でも目的を達成するためには失敗を恐れずに上手く立ち回ろうとする姿は、自分が第1話を視聴した時に感じたものと同じだ。で、勲は悪役じゃないんだよね。「二十面相の娘」でいえばおじさんにあたる。で、桜井機関のほうがどちらかというと高邁な理想を潰す側になっているわけだ。で、葵達エージェントは心まで桜井機関に売り渡しているわけでもなく、桜井のおっちゃんだって裏を色々知っていながら情報を明かすのに凄く慎重で、何を考えているやらわからない。いや、かなりワクワクしておりますよ。
 しかし、風蘭、見なくなってスゴク寂しいアルヨ。