伯爵と妖精 第4話「貴族の義務」

 っつーか、原作もこんだけの丁寧な積み重ねをしているのだろうか。
 エドガー、困難をくぐりぬけついに正式に伯爵として認められるの巻。いやー、今回も目が離せませんでしたね。アヴァンからOPに繋がる流れも何事かと思ってしまいましたよ。よくよく考えてみると詰め込んでいるのに、間が抜けているという感じが全然しなかった。話の構成もさることながら、演出も考えられているんだろう。
 スターサファイアからスターを抜き取って伯爵の体に刻み付けていたというのがエドガーの舌の焼印って考えてもいいんだよな。本来は六芒星なのに四芒星ってのはどんな意図なのか迷うところである。もしエドガー以外に、その六芒星の印を持つ本当の伯爵がいるのなら、メロウの民は関知しているだろうから、安易に偽者とやらに資格を与えたりしないはず。伯爵は血統によって引き継がれるものとは明言されていないので、ここはエドガーが貴族の義務を果たす本当の伯爵であるという提示がなされている以上、彼が血統によらないが実は本物の伯爵の後継であると解釈してもいいわけだ。
 で、彼が認定されるまでに場を盛り上げるためのご都合主義的な感動的シーンの連続コンボと思いがちだが、巧妙にエドガーもしくはリディアにいくつもの試練が降りかかり、その都度正解を選択しつづけているという構成になっていることに感心する。一番の困惑であり、一番の見せ所でもあったのがやっぱりニコの「刺せ」だよな。血を流すという行為を「殺す」ということだと視聴者に対してミスリードすることによって、うまく場を盛り上げている。よく考えたら、貴族の義務として命を賭して家臣や家族、領民たちを守るとエドガーが言ってるジャン。今や家臣というか身内はレイヴンとリディアしかいないわけで、そもそも彼の言説によればリディアを殺すはずがない。
 で、やっぱアレだよな。「自分がもっとも欲しいものは、それを与えることによってしか手に入れることができない」のオンパレード。ある意味すごい贅沢。