マクロスFRONTIER 第14話「マザーズ・ララバイ」

 それは、大量破壊兵器というガセネタに踊らされてイラクに侵略した、アメリカと…日本のように。
 うーん、ちょこまかと動くドッグファイトも目を引くんだけど、どうだろ?。謀略を明らかにしてもカタルシスも感じないし、まぁそれは今まで少しずつ洩らしていたからではあるんだが。地球側に冷静に判断をする人間が一人もいないってのが、ある意味今の日本を表しているというか…。でもまだ日本のほうが警鐘を鳴らす人間はたくさんいるぜと。と考えて見ると、これはまさにやれ大切な人のために戦うという点に集中させられ、まともな判断が不可能になって取り返しのつかないことをしてしまっている「小泉劇場に踊らされたバカな日本人」のメタファーではあるんだろう。
 うーん、複雑というか、いじわるな展開の方法だわな。ちょうど折り返し地点であるということを考えると、確かにこれは地球側のミスって線が濃いんだけど、やたら色ボケしたキャラクターを連続投入して、戦闘シーンではカタルシスを視聴者に与えると、こりゃ騙されるというか気付かない人間続出だろうに。でもまぁ安倍バリの愛国もどきを演出した作品ではないことがわかってひとまず安心したといえばそうなんだけどな。かといって反戦とか軍備放棄が正しいとはいわないんだけどな。マクロスにおいての反応弾は確か核兵器のメタファーだと思ったので*1、現代軍事的に言えば「究極破壊兵器の応酬による最終戦争の幕開け」という記号になっているということになる。ランカ個人の悲しみに集約されすぎていて、あんま悲壮感が漂うヒキではなかったけれども。 

*1:実は宇宙空間では核爆弾ってのは作中のように絶大な破壊力を持たない。核反応は基本的に熱を発生するだけなので、その莫大な熱を力学的エネルギーに変換し、周囲に破壊力を発揮するための媒体、すなわち空気というものが宇宙空間にはないため、焼け焦げるだけで終わるか、熱が無駄に拡散してしまうだけに終わる。