ラストエグザイル-銀翼のファム- 第13話

 仮想戦記、「限定核戦争」。
 なんか東西冷戦を思い起こさせるような構図だな。が、今回いろんな要素がメタファーというか色々連想させるものがあった。でもなんか微妙に外れているというか。
 エグザイルは核兵器のメタファーではあるんだが、アデス連邦のはまんま戦略兵器であるのに対し、グラキエスのは戦略兵器といっても位置固定のようだからなぁ。ディアンたち翼の巫女のすり潰され具合は特攻隊を連想させる。もちろん翼の巫女は決死隊じゃないからそうじゃないんだけど、というか、むしろ特攻隊は属国艦隊のほうか。
 属国艦隊もなんですり潰されるのかよくわからんな。対空装備搭載のオーランが先陣斬ってグラキエスヴァンシップを叩き落しときゃ済む話のような。ようするに囮にもなってないんだよ。初めから属国の艦隊をすり潰す*1のが目的で、作戦的にはなんの役にも立ってない捨石そのもの。
 で、翼の巫女たちがオーランやソルーシュの艦隊に突っ込んでいって散華していくんだが、グラキエスの長老の反応をみると、彼女達もまた使い捨てなんだよな。その分、平時はちやほやされているからバランスが取れているのかも。まぁ先の大戦の特攻隊のようにいゝように言いくるめられて大して大切にされもせず命を散らしたってのはさすがにトホヽ感が大きいが。
 今回は一大スペクタクルって回なんだろうから、贅沢言っちゃぁいけないんだろうが、メッセージ性も中途半端、せめてトゥラン滅亡のように後に残るは焼け野原ぐらいまで突き抜けてくれたほうが…とも思うんだけどな。弱者の使い捨てられ感はむしろ今回のようにあっさりしていたほうが惨めさを強調してよかったとは思うんだけど。
 しかし不謹慎だが、自分的にはヴァンシップ隊が壊滅して涙目のディアンが可愛らしくて収穫だったよ。

*1:反乱しないよう勢力を削いでいるのか?。