キミキス pure rouge 第24話「……and meet again」

 http://d.hatena.ne.jp/SAGISAWA/半年ROMれ!。
 http://anime.goo.ne.jp/contents/news/NAN20080321_81/index.htmlで、光一最低というのを読んでしまっていたので、なんとなく先が読めてしまったのだが、そうでなくても手を繋がなくなったりという描写があって、いきなりというわけではなかった。確かに星野さんの予感という形で、視聴者を前々から納得慣れさせる構成にはしているんだよな。たぶん感想サイトさんでは大荒れだろう。しかし、一輝の結末をああする以上、対比を考えれば物語的にはこうするのが妥当だと思う。というより、光一の結末をこうするからこそ一輝の結末があぁならざるを得なかったといったほうが、より正解に近いと思う。
 象徴的なのは光一が携帯端末をクレープ屋に取りに行った後の摩央ねぇちゃんと星野さんの邂逅。星野さんはずっと日陰にいて、摩央ねぇちゃんが日向にいるというのが初期設定。星野さんの心中を察するに、日陰と不安というのがうまくマッチしていたんだけど、摩央ねぇちゃんのほうが空元気というのがわかっているだけに、日向とのミスマッチがまた紛らわしい。バトンタッチといって星野さんは日向に、摩央ねぇちゃんは日陰に移動するってのがこれまた紛らわしいんだよな。摩央ねぇちゃんの「バトンタッチ」も「光一のことよろしくね」というのも、両方の意味に取ることが出来てこれまた紛らわしいことこの上ない。ミスリード?、いやいや、もうミスディレクションといったらいいんでしょうかね。
 終わってみればなぁんだといったところですが、最後まで視聴者の注意を惹きつけていたし、いいメロドラマだったと思います。狼と香辛料みたいにいかにも視聴者を心地良く遊ばせてくれるってのとはまた違う琴線の触れ方をしていた作品かと。ま、高校生活がこんなに恋愛面に寄りすぎってのも、また理解に溢れ過ぎってのも、正直地球46億年の歴史からいうと絶対ありえない確率ではあるのですが、美しい見せ方をしてくれたとは思います。もうオッサンになると、こんな劇的なくっつき方をしてもどうせスグ飽きてしまうんだろ?と思ってしまう悲しい性よ。でもまぁ最近こういうキレイ事なドラマはあんまり見ないよな。実写ドラマがセンセーショナルかつ泥臭くなってしまってから…。
 作劇手法としてはすごく上質なので文句無しにおもろ+。もちろん音もよかったし、気合の入った作画回もあって、ハイクォリティだとは思いますが。それにしても、放映前の特別番組で「いつキスシーンがあるかわかんないから、見逃すな」というのには見事に騙されました。
 しかし祇条さん、本当においしいポジションだよな〜。