今週のいきいきホットラインは

 うーん、なんだかなぁという内容。やっぱりこの番組の対象聴取者層である、専業主婦だのの女性B層向けってのが如実に現れていたと思う。男性が子育てに参加するのに、誰もが時間が無いといっているのに、その原因を作っている企業に誰もがツッコまないという不自然さを感じた人はどのくらいいるのだろう?。そして、埋め込まれた結論が「労働生産性の向上」。あたかも労働者の努力で生産性の向上が達成されると、残業無しに帰宅できる…と思わせておいて実は…という流れなんだと思う。そもそもなぜ男性労働者が長時間労働でヘトヘトになっているのかといえば、それは馘にした社員の仕事を、会社に残ることのできた人間に押し付けて人件費を減らし、今、バブル期さえ超える空前の利益を得ている大企業のせいだ。経営層の報酬は、経団連会長だけでなく、大企業の全役員の平均で二倍に上がっているらしい。キヤノンだけを責めるのではなく、もう大企業全体を糾弾しないといけないらしい。
 で、お題がお題なだけに、むしろ女性でありながら男性と同じように仕事をこなし、その上家事子育てをがんばっている人に対しての援護は無かった。というか、子供を持ってしまえば、訴訟リスクなどから企業のほうから残業なんてとてもさせられないということらしいので、どうやら、そういう女性はいなくなっているらしいことが窺えた。今日あたりなんかは、実は専業主婦が家事も子育ても…という状況は、気が休まる時間がひとときも無く、ストレスにさいなまれる状況なんだと言っていた。良く考えてみれば納得である。そうはいっても、1980年台に主婦をやっていた人たちは、「女性は結婚したら家庭に入るのが当然で、実は家事も子育ても覚悟して引き受けていたし、それが問題になる事はなかった」ということだ。しかし、それ以降、女性の社会進出度が高くなるにつれ、むしろ働く女性は保育園に丸投げできる分楽ができ、地域に子育てをする女性たちのコミュニティが崩壊するにつれ、専業主婦で保育園にもやらずに全部子育て家事を自分で引き受けていた層は孤立して、誰にも相談できずにとてもしんどい状況になったという流れらしい。
 母親が働いて子供は保育園という層や専業主婦で子供は保育園という層に比べて、専業主婦で保育園にやらずに子育てという層は圧倒的に少なく、もういったんこうなって地域社会が崩壊してしまったら、むしろ保育園のほうが子育てのノウハウもあり、子供の密度が一番高い場所でもあるわけで、一番充実した子育てコミュニティはむしろ保育園にしかないという状況になっているというのは一昨日の放送にもあった。悪い言い方をすれば、「自由な時間を与えてもらって家事・子育てもできないんなら、働けよ!専業主婦は」ということになるわけなんだが、よくよく考えれば、そういった糾弾自体が女性をより労働力化する方向になり、より賃金が切り詰められる…という、経団連自民党にとってはまさに絶好の状況にもなるわけで、こりゃ一本とられたというか、そこまでして国民を奴隷化したいか、特権階級はという怒りを新たにしてしまう。
 しかし、なかなかにして窮まっていますなぁというのが感想ではある。前にも述べたとおり、百姓は生かさず殺さずの格言通りにしてみたら、実は世襲二世や三世が多くて、実際には無能力者が権力を握っているおかげで奴隷が働けなくなるほどバタバタ死に、奴隷の再生産がなされなくなったということで、自民党が危機感が抱いているということだ。ヨーロッパで出生率が上がっている国というのは、実は子供を産めば産むほど助成金が出るというシステムであって、女性が婚外子を産めば自分は働かなくても暮らしていけるという優遇制度があるからだ。しかし、それでは女性は子供を産んでも働いてくれないということであって、しかも補助金をタダ取りということで、国としては金だけを毟り取られて経済は発展せず、国に養われる女性に育てられたタカり性質の子供ばかり増えるということで、どうやら限界が見えてしまっているらしい。スウェーデンではそういう制度を利用して補助金だけ貰う女性が急増したのであっという間に破綻して制度を改変してしまったわけだ。フランスなんかでもそういう流れになるのだろう。ましてやフランスでは移民の出生率が増加しているわけで、あれほど国としてこだわっていた自国文化をちっとも敬わない層が10〜20年後には大発生する公算が強く、もしかするとそのころに内部分裂著しいフランスを見ることになるかもしれない。で、日本としては自民党天皇を中心とした神の国を目指す限り、そういう状況は避けたいのだろう。そして、非難の矛先を真の原因である自民党や大企業に向けさせたくなくて、その身代わりに搾取でヘトヘトになって反撃力の弱い夫に向けさせてごまかすってのが今週の番組の目的なんだろうなと思わざるを得ない。で、B層専業主婦は諸手で拍手をしながら今週の番組を聞いたに違いない。