あさっての方向。 第12話「ここにいること」

 センセ、センセ、不知火の話をするだけなのに、釣り道具をわざわざ持ってきたんですか。
 というわけでしゅーりょー。もう一転させてくるのかと思っていたんですが素直に流れていきました。網野くんは事実を受け入れるのに時間が必要だったというだけのようですね。で収まるべき鞘にそれぞれ収まって終わりと。
 うーん、悪くないんだけど、どうにも前回からの違和感が抜けない。気になって今もネットを徘徊していたのだが、原作とは大幅に違うオリジナルストーリーであることがわかった。だから最近までの物語は原作をなぞっていたけど、話が終わってないからとりあえず畳んでしまいましたというわけでもないらしい。琴美がオリジナルキャラクターらしくて、別にそれは構わないんだが、どうせなら構成をガラっと変えても良かったんじゃないかと思ってちと考えた。それはダメだ。設定だけを借りた物語なら別にあさっての方向。でなくともいいわけだ。やはり原作のエッセンスも詰め込みながらの構成を考えないといけないのだろう。そうなると何がエッセンスなのかと考えて、それはどうやら椒子とからだの思いの初期設定の部分だけなんじゃ?と思ってしまう。Wikiを読んだ感じではそう。原作を読んでないのでわからないのだが、テツと両思いになるってのはアニメオリジナル?。もしかすると椒子とからだは尋にいを奪い合ったりするんだろうか?。
 全体的にみると、この物語は気の遣い合いをするんだけど、せっかくの好意がすれ違うとかいうものなのかと思っていた。だがあっさりとからだをテツが救ってしまったことによりそこらへんよくわからなくなっている。
 他のサイトさんでもそうだし、物語中椒子や透子にも責められていたが、尋にいが情けないということにはちょっと私は頷けないな。漫画版の設定だとたしかにそう*1かもしれんが、ドラッグストアのしがない店員*2だと極貧なわけで同情してしまう。椒子は椒子で自分も逃げているくせに口ではキレイ事ばっかで、あまり彼女の内面に切り込んでこなかったこともあいまって自分勝手な女に見えてしまったのが残念。思いやりが十分あるのに、からだがいなくなってからの豹変振りには参った。
 というわけで、10話前後まで素晴らしかったのに最後の2話で自分的には萎えてしまった。いや、その最後の2話でも泣きどころはあったし、まとめかたも悪くは無い。無理やり話に区切りをつけてしまったがために作品全体でのテーマがぼやけてしまったというべきか?。いやメッセージを私が正しく読み取っている自信がとても無いのだが。ヘンな話キレイにまとめなくてもよかったんじゃ?。ま、それはさすがに無理というものだろうが。
 そうはいってもクォリティは格段に高い。評価するといえば泣かせでの視聴者の感情の揺さぶり方、そしてその背景作り。ちょっとした仕草までに配慮した描写、OP、ED、そしてなにより大人からだの絵、画。おもろといったところか。

*1:精神性で言えばより現代性があるような気がする

*2:現代性があるのは貧乏なことだけで、悪く言えばいまどきありえない清貧生活でごまかしちゃっているのかもしれんが