あ〜、最終回としては糸は引かないってことなのね。
まぁ終わり方としてはこんなものなのかな。連載は続いているようだしアニメオリジナルとして結論を用意するにはそれなりの覚悟がいるわけで、しかし原作の行く末というか意向抜きに冒険するのもなんだかなぁといったところだろう。続くのなら続くという風にしてくれたら不完全燃焼気味のこの気持ちも少しは落ち着くのかもしれないが、とはいえ、1クール視聴した後の満足感はそこそこある。
視聴し始めた当初は社会システムとしての政府通知とはとか思ってたんだけど、結局のところそれに対する深まりは自分の中ではそれほど起きなかった。で、主人公がどちらを選ぶかという問題にすり替えられちゃって、システムの齟齬によって二人とそれなりに深い関係を結ぶことになった主人公はそれぞれの良さに気付いてどちらも選べなくなり、選択に困ることもあるよねという心の中ではなんとも微妙な結論になってしまった。要するに作品としては仮説の立て方を間違っているし、誘導する方向がメロドラマのありきたりな展開なわけで、これはどうにも作品の持つメッセーヂ性からすると失敗としか言いようがないのだが、しかし個人的には毎回毎回十分に楽しませてもらいましたよという印象しか残ってない。
で、そのメロドラマ部分でも、年端も行かない若造が惚れた腫れたで自分を見失っているだけなのだが、これは別に年齢がもっと上であっても恋愛に目が眩んでたらこのような状態になっているはずなので、汎用性は高いという。
最初の数話を乗り切ったら、あとは勢いで楽しめちゃうので、そこそこエンタメ性は高いと思う。個人的には面白いと思ったが、といってもこのような作品を見続けると慣れて飽きちゃうと思うので、時々つまみ食いするのがよいのではないかと。原作を読んでないからわかんないけど、政府通知について深入りすると、それに対する(途中経過としても)結論がないことに視聴者が不満を感じるだろうから敢えて恋愛方面に重点化したのかも。とはいえ、最終的に主人公が誰を選び、どのように行動してその選んだ相手と結婚できるのかできないのかまでを描かないと物語としての提示としては不完全だし、そこまでやれないんだったら別に途中このような終わり方になるのも一緒だからこんなもんじゃね?といったところ。上述のとおり行き先を確認してバスに乗ったのに、着いたのは別の場所で、かといってその場所が居心地が悪いというわけでもないというのでも構わないのならお勧めって感じかな。
