BLOOD+ 第33話「信じるチカラ」

 あぁ、デヴィッドさんがぁ。
 カイがまったくイイ男になって帰って?きました。なんか追っかけもまだいるし。そして最後に真打ちの登場。なんか人間かわってない?。赤い盾メムバーのシーンになるとどうも涙腺が緩くなっていけねぇ。
 しかし話の構成としてデヴィッドさんの取り扱いが微妙な感じがします。赤い盾崩壊の時のなにがショックでああなったのかよくわからんのですよ。もちろんやさぐれたのは、“あぁこうなってしまうのか”というぐらいには思うんですよ。不屈の男デヴィッドがあぁなるからこそ、あの事件がそれほどまでに重要な意味合いを持つものだと視聴者に感じさせたい狙いもわかります。が、あくまで彼をクールに描いてきたからなのか、デヴィッドが小夜(やリク*1)や赤い盾を失った彼にとっての大きさが今一、一視聴者として実感できないんですよ。もしかすると視聴者に見せていないデヴィッドの大切なものとやらがあるのかもしれないんですけどね。ただ、構造としては今まで被雇用者が忠誠を誓ってきた日本企業が、ここ十年のうちにどんどん人を切り捨ててきたことと全く似ているので、デヴィッドさんをそういうサラリーマンのメタとして見ると、かなり納得のいくものではあります。カイの成長ぶりを際立たせるためにデヴィッドさんをやさぐれさせたという観点では、それはその効果は確かにあるとは思うんですが私にとってはあっても無くても良かった。
 あとはリクの退場かな。これは良く考えられていると思う。他のサイトさんで、退場するのでは?という予測(というか確信なんだろうけど)を見た時は実感が湧かなかったんですが、あらためて考えると視聴者としてあまりわだかまりを感じずに、登場人物達のいい動機付けになってます。まぁスタッフが今後取り扱いを間違わないとは確信できないんですけど。次回小夜の口から何が飛び出すのか楽しみですよ。
 ぐだぐだ述べてきましたが、概ね楽しめましたよ。ディーヴァ側との切り替えもよかったし。デヴィッドの口数が増えていくところも、カイの内面の掘り下げも、小夜の登場までの盛り上げも、話を進めていくという点においては文句なし。

*1:リクでも弱いと感じるのに、さらにジュリアなんて線は無いんじゃないかと思うのですが。