刀使ノ巫女 第10話

 まるで最終決戦のような様相だが、まだまだ折り返し地点の手前でしか無いんだよな。
 うーん、舞衣の戦いの理屈付けがなんとも。個人的には別にその理屈付けはしなくても、状況に巻き込まれる中でいろいろ葛藤させたほうがよいんじゃね?ぐらいに思っていたので、前回彼女の戦いの理由が示されなかったことを、あれだけの準備をしてスルーかよとは思ったのだが、それもまたよしぐらいの認識だった。が、今回のこれはない。もし前回追手が来ずに目の前で萌草の一人が倒れずに全員無事に潜水艦に逃げ込めたらこの決心はなされないことになる。これだったらまだ可奈美に一緒に来いとでも言わせて普通にそれに応える形のほうがマシ。が、可奈美にはペアリングの相手が既におり、舞衣には逆にこれまた既に沙耶香が与えられているのでそうするわけにもいかない。せっかく彼女には司令塔としての役割が与えられているのだから、むしろ周囲の判断とは独立して、彼女自身の状況判断と自分の行動の指針を決めさせることが物語上、おそらくティーンに向けてのありうべき若者像の一つを示すということになると思うんだけど、まぁそのへんは彼女をどういう象徴として提示するかについてはアニメスタッフが決めることではある。まぁ今はあやふやな判断でも時間の経過とともに成長してみせるんだろうなぐらいに思っておく。
 しかし細かなところが気になったな。せっかく狙撃手の視点を持ってきながらVLSでの発射で有耶無耶になってしまい、狙撃手が驚いたとかそんな描写もないので無駄としか思えない。もしかして円盤になればそのへん省略されずに描かれるのかな。
 説明セリフが多い割には、そのテキストに現実社会との接点があまり感じられなくて、フィクションならフィクションなりになにか格好の良いものとも感じられず、その尺を単なる辻褄合わせにしか使ってないんだったら、なんかもったいないなという感じ。さすがにこの作品のテイストはメタ構造を押し出す感じではないのでアレなんだけど、キャラを動かさずに視聴者に語りかけるんならそれを好機と見てグッと迫らなきゃと思うのは贅沢なんだろうか。