サクラクエスト 第4話

 えー、スペシャリストわんさかいるじゃん。
 とはいえ、時流に乗ってる分野じゃないとカネにならんし、カネにならんのなら産業にならんからキビシイってのはまぁそうなんだけど。伝統産業は、主力からすっころげたから伝統産業という呼ばれ方をされているんであって、全国的な認知度が大きいものでも結局職人の給料はほとんど生活できないほどのレヴェル。カネ持ちに作風を認められてそれなりの収入を得ているのは果たして全国でどれだけいるんだろうかというところ。装飾性の大きいものは基本日常使いなどしない贅沢品だから数出るわけでもないし、ならばやはり工業製品に匹敵するような収益は上げられないだろう。まぁ逆に工業的に廉価に生産されるものは、贅沢品でないからこそ手軽に捨てられるわけで、いわゆる使い捨ての回転率で稼ぐって側面はあるから、同じ土俵で勝負するのはちょっと分が悪い。この作品が欄間の持ち上げを通じてなんらかの方向性なりを示してくれるんならちょっと期待したい。
 あとは交換可能性ね。仕事で云々ってのはこれはもう仕方のないことで、むしろ交換可能でなかったら著しく不便になる。コンビニ店員が交換可能でなかったらどうすんの?といったところ。今や中国などの東南アジアでもコンビニはあたりまえの光景になりつゝあるわけで、そういうユニヴァーサルサーヴィスが普及すると一切言葉を発しなくても、日本でコンビニを利用するのと同様に海外のコンビニを利用できるという利点につながってるわけで、そこに交換不可能であるという原理を持ち込むのは筋が悪いとしか。といっても、高齢化の進み具合が特に激しくなっている現状、コンビニ店員が固定客への当意即妙な接客が求められてもいるので、まぁそのへんよな。個人の認知欲求を満たすために交換可能性を否定するんだったら、その個人が日常のあれこれについて選択するときにも交換可能性を否定するべきで、今回の話はそれをわかったうえでのあの台詞だったのかどうかも今後の推移に期待といったところ。自分の仕事を評価してもらって何かを購入してほしいのなら、自分もこれを買うなら何々さんちとこで…とならざるを得*1なくて、まぁそれが実現するのが田舎の濃密で閉鎖的な人間関係であったりするので、さすがにスタッフがそれをわかってないはずはないんだけど、問いかけの帰結点を本当にそこにもってくるのかどうか、やっぱ今後に期待としか。

*1:蛇足ながら言わせてもらうと、今回も含めてそれはちゃんとほうぼうに描かれている。