南鎌倉高校女子自転車部 第11話

 都合よくペダリングについて教えてくれるお姉さん登場。
 いやまぁご都合主義とは思うんだけどサ、とはいえ限られた尺の中でいろいろ詰め込みたいという意図からするとそう目くじら立てゝもっていうのはある。熟練者が初心者を直に見ながら適切な指導をするってシーンを見せるのはむしろ感心すべきことではある。が、本来ならやっぱり日を置いて別のエピソードゝして描いてほしかった感じ。
 そういや鎌倉にFM局ってあるのかな。昔サンコーで通販をしたらネットラジオを聞けるプログラムを貰って湘南FMを聞いていたことがあって、その選曲が戦後一貫して占領状態にある日本に影響を与えている合衆国の音楽文化そのものって感じで割と気に入っていた局ではある。個人的にはあんな感じのローカルFM局が乱立するぐらいでないと地方の街興しは難しいんじゃないかなという気がしてならない。まぁ伝播範囲は限られるけどそんなに投資しなくても個人でFM局は開けるわけなんで、そういうものゝ延長で全然構わないんだよね。
 次でラストなんだけど、なんか振り返ってみて案外放映前に期待していたよりは出来がよかったという印象。もちろんドラマとしての出来は決してよくないとは思うんだけど、校長の過去話あたりのところで言及したとおり、原作者の自転車への思いがそれなりにしっかりしているおかげで、エピソードへの落とし込みがまずいだけで、おそらくこういうことが言いたいんだろうなという軸の部分は個人的に評価できるものであったというか。
 こういうのはにわたま論議になるんだろうけど、スポーツ全般に言えるように、ある程度熟達しなければそのスポーツをやる醍醐味がわからないし、とはいえ初心者は最初っから熟達しているはずはないから、その過程をどう描くかはまぁ難しい問題だよねといったところ。憧れなりがあって熟達のための鍛錬が気にならなければ勢いで乗り越えられるんだけど、そういうのは万人が持っているわけではないから、どうしても初心者いらっしゃーいの作品では分かれてしまうという。釣りでいう、道具も仕掛けも餌付けもしてもらって投げることだけやる「大名釣り」の状態であっても、釣りはおもしろくもなんともないっていう層もいれば、もともと情熱があったらいくら道具にカネゞゝゝろうとも練習が辛かろうと思い込んだら一直線って層もいるわけで、そして後者であれば別に初心者導入用のアニメだろうとイヴェントだろうと、そういう手助けが一切なくても勝手にはまり込んでいくわけで。かといって大抵のスポーツ漫画がそうであるように、自転車で言えば弱ペにはまり込んで、まったくの初心者なのに大きなおねえさんが大層値が張るロードレーサーをぽんと買うってこともあったわけだから、そのへんよな。で、弱ぺに嵌りこんだ層がこの作品とかろんぐらいだぁすを視聴するか?と言われると、それはやっぱりうーんというか。そういう轍の用意は決して間違ってないとは思うんだけど。