ハイスクール・フリート 第6話

 ブルマーの理念通りなんだったら、大和武蔵の巨砲艦はいらねぇだろ。
 しかも巨大艦船は維持費も桁違い。海洋小説部分に注目せざるを得ないとはいえ、この設定部分がかなりこじつけで萎える。想定されている艦歴を大幅に超過させてそれでなお70年以上も前の艦船を活躍させるんだから、その艦の設計思想にもうちょっと敬意が払えるような設定に近づけて欲しいなぁ。お互い視認できる距離から射撃して、そりゃ命中率も抜群だろうけど、それで死者0とか、なんで46cm砲を積む意義があるかねぇ。それにいくら最新鋭艦だからそれに本職が乗るのは当然といえども、武蔵大和は最終時には4000人からの乗員を擁してた大組織。いくら技術の発達で省力化して乗員が少ないといっても、最新鋭艦より乗員は遙かに多いはず。構成員が多い組織ほどシステム管理に手馴れた人材が必要なのであって、そういうのを生徒の実習艦にして大人が一人も乗ってないとかアホの極みだろ。せめて成績優秀者は練習巡洋艦、そうでないものは駆逐艦に乗艦させて重巡以上の任務艦は大人だけで運用すべきというのは素人でもわかること。あと、本当に原始の船の構造から学ばせたいんなら昔は帆船実習というのをやってたはず。わざわざ考証担当まで呼んで何やってんだとしか思えない。そういうのを知らないはずは無い。なんか昭和期の映画やドラマにあったキャストを輝かせるためだけに無茶な設定や脚本で仕上げていた駄作が思い浮かぶ。
 ほんでもって海洋ドラマとしてはこきおろすほどでもないかなとは思うが、正直艦隊生活トリビアぐらいしか楽しむ要素がなくなってきてる。海上での生活の理不尽さや陸上生活と違うのはなぜか?という理由が自然と想像できるようには作ってあるので、その部分は評価できるかな。そもそも企画段階で、この作品はドラマやメッセージ性はうっちゃって、軍艦関連のディテール部分だけがみどころって感じだったのだろうか。その部分だけ楽しめってんならそういう腹づもりで視聴するけど…。