うーん、アンジュはどこへ行こうとしてるのか。
元の世界に戻ってアンジュはジルに会ったが、意見の相違で喧嘩別れするの巻。ジルがリベルタスをノーマ解放のためでなく、どちらかといえば私怨のために利用するっていうのは前々からほのめかされていたので、それがいつ表に出るのか楽しみにはしていた。自分はむしろエンブリオとの戦いの最中から終盤にかけてと予想してたので、この展開はちょっと意外だった。というか、アンジュがドラゴンとの共闘話を持って帰る前に、ジルはどんなリベルタス作戦を考えていたのか不思議なところである。戦力はアルゼナルがあったときよりガタ落ちだし、ドラゴンがいないと普通は逃げ回るだけしかできず、反攻作戦など無理なはず。それがアンジュの共闘話でドラゴンを使い捨てにするだとか、ロストしたと認識していたアンジュにエンブリオを叩かせるとか、そもそも持っていなかったものを前提に作戦を立てること自体常軌を逸している。しかもその持ってなかったものに対してあまりにも雑な扱いであって、それまでのジルの冷静さはかけらも見られない。
なんというか、アンジュが異世界から帰って古巣に戻ってみれば、かつての勢いはなく、正気を失い落ちぶれた仲間を目の当たりにするってところが描きたかったのかと思うと、ちょっとやるせないな。アンジュは戻ってきたこの世界でも一人ぼっちという感じであって、いくら強力なロボットを手にしているとはいえなんか無鉄砲すぎる。次号予告を見るとエンブリオと対面ってシーンがあって破天荒というか何というか。もしかしてスタッフはアンジュの姿を坂本龍馬(現実のではなく、一般人が神格化したアイドルとしての)に重ねているんかなと思わなくもない。しかもアンジュは彼女が解放しなくちゃと決心したノーマは基本的にアルゼナルの仲間しかおらず、いにしえの民との面識もほとんどない。彼女の決心はそういった世界中との人々の関係性は構築できておらず、かなり思い込みに近いものがある。むしろ彼女はドラゴンにこそ心を寄せているはず。そういう風に思いなおしてみると、しばらくはアンジュは対立関係にあるなしに関わらず、世界中の人たちと関係性を結んでいくという展開が続くのかもと思ったりするが、そういう尺はあるんだろうか?。
