Free! Eternal Summer 第12話

 なんであれで遙は夢が見つかったことになるんだ?。
 第1期は自分で自分のことをわかってない状態のまゝそれでも先に進むというのが理由は無くともそれなりにわかるような気がしてたのだが、今回の遙の夢はちょっとわからん。凛が連れて行ったオーストラリアの海辺も効果なしだし、ホームステイ先での出会いも言葉が今一わかっておらず、なにか示唆を受けたようにも見えない。国際競水場でナショナルチームに声をかけられて世界の舞台に立つ自分を認識してそれが遙の進路につながるとかちょっとわけわかんない。彼自身は人と競うことに今まで意味を感じていなかったのに、それがなぜ場所を変えたぐらいでなんか彼の中の問題が解決したようなことになるのか、もうさっぱり。
 彼(の心)を動かしたことの一因として考えられるのは、もう凛が遙を目標にしてたという発言ぐらいしかしか見当たらないのだが、結局のところそれだって遙に自分のためでなく人の夢のために泳げといってることだし、それで問題が解決しちゃうのはやっぱり意味不明。結局のところ一番有力だと考えられるのが、遙を日常から切り離すために海外に連れていき、周囲の影響を遮断して落ち着かせたということに尽きる。凛が遙を尊敬してたというのもフェイクだろう。それが強力な決め手だというのであれば、別にオーストラリアくんだり出張らなくても、日本に居て十分訴えかけることは可能。しかし日常からの切断だとしても、それなり遙にとっての「泳ぎ」とはなにかに対する突き詰めはないがしろにされたまゝであり、やはりどれも理由としては弱い。
 まぁ遙を悩んでいる状態にしている以上、そこから脱却させなければ話は次に進まないのであり、それに関しては遙の内面をとことん突き詰めなくても構わないというか、そうする余裕は無い…もっといえば、おそらくスタッフは視聴者はそれを求めてないだろうと判断したということなんだろう。ちゃんとそのへんの突き詰めをしないんだったら、問題に触れなきゃいゝのにとは思うが、そのへんどうだろ。遙がいちおう物語の主軸に座っているようだし、彼に苦悩を与えなければならないとか考えたんだろうけど、第2期の擾乱要因であるところの宗介をもっと深く描いてもよいし、怜の扱いが第2期はそれはそれはぞんざいなので彼に関してもっと深めてもよいだろうに。遙はもともとあまり人と関わらないという設定なんだから、最初っから最后まで何考えてるかわかんないでも構わないんだとと思うけどね。
 しかしまぁ視聴している最中にずっと思っていたんだけど、こういう遙のような自分の意志がはっきりしないというか言語化してないというか、そういう人物を、周りがよってたかって面倒見ようとする(なぜなら遙は自覚なしに他人に好影響を与えているから周囲がほっとかない)という構図は面白いと思っていたし、これを上手く処理できれば全体として話に落ち着きができるのに…というのがつくづく惜しいというか。そりゃまぁ現実は当人も周囲も空回りというか、上手くかみ合わないことが多いといえばそうなんだけど。