ToLOVEる-とらぶる-ダークネス 第12話

 え゛?、こんなのアリ?。
 いやぁ、ビックリした。てっきり芽亜への調伏完了で〆かと思ってたのに、最后の最后で自分が放棄したと考えていた、「一人の男が女を独占することの是非」について問いかけがあるとは。この最終回を見る直前は、ダークネスとは金色の闇のヤミのダークネスなんじゃないかで、FAだと思っていた。というか元々はモヽのハーレム計画をダークな企みとでも思っていたんだけど、これまた最后でモヽの願いは決してハーレムの成立じゃないことまで語られていた。
 あ〜、なんかこの最終回までの要素をちょっと書き連ねてみたい。

  • リトを慕っているのは女子であり、リト自身は自制心のある健全かつ健康的な男子である。周囲の男子はリトはラヽとのつがいであるとの認識があるが、基本それだけ。おそらくリトは魅力的な女の子によろめきながらも、基本はラヽと西連寺の間で迷うだけ。
  • モヽのハーレム計画は彼女の思い人であるリトゝ仲良くなるための方便であり、ほんとうはラヽに出遅れたモヽがデビルーク星のしきたりを都合よく取り出しているだけのもの。オーラスの台詞とは裏腹に彼女の本音は「リトを独り占めしたい」。
  • ヤミはこのシリーズが始まるまでに人間の心を取り戻しているが、素直になりつゝある過程を描くのと、ルーツであるティアーユとの和解が描かれている。
  • 芽亜は初登場であり、彼女以外の女性キャラは基本幸せなので、不幸キャラとしてのスパイスの役割を持たされている。このシリーズで彼女が幸せになってしまったら不幸キャラがいなくなって物語が成立しにくゝなるので人間性の獲得は後回しにされた。
  • リトが女達に囲まれているのとVMCに囲まれるモヽの構図は等価。モヽを慕う会員の中にはモテ男クンまでいた。が、リトは女どもからは本音を言われないのに対して、モヽはVMC会員に好意を表出され、リトは微妙な感覚でかわしているのに対して、モヽは拒絶に近い。リトの間男的体質とモヽの女王様的体質はおそらく構造的に現実のものに近いハズ。
  • 本編ではメインヒロインであるラヽと西連寺が脇役でしかなく、サブヒロインであるモヽとヤミをクローズアップしたシリーズになっている。ファン投票でもやって、人気のあるサブヒロインを活躍させた?。

 最終回としては、体育倉庫でのモヽの妄想部分に昂奮した。これもあきらめていたのにな。途中まで妄想とはわからなくて、本当にリトがベロチューとペッティングまでやってたのかと思った。このノリツッコミ、わかった途端ちょっとがっかりするんだけど、なかなか悪くない。リトに触られて警戒のあまりとびのくところなど、なるほどモヽは絵面的にかわいくなってはいるんだけど、基本モてたことのない女のそれだと思われる。モてる女がしないとはいわないんだけど、妄想が多いところなどメンタリティはやはりモてる女とは一線を画すんじゃなかろうか。で、オモロイのが、「本当に欲しいものはあたえることによってしか手に入れることができない」という命題に忠実なこと。リトはそれで欲しいものを手に入れているように見え、モヽは逆のことをしているがために手に入れられないという。すんでのところでモヽ自身が一瞬戸惑い、芽亜に邪魔されるのはそれ。で、モヽがハーレム計画と言い出した本音をエピローグで視聴者に見透かさせてしまうという構成は、正直よくできている。自分はこれはもう無いと思っていたので、これがあるがために評価は高くなった。無かったら評価がかなり低かった。というか、無いと思わせて最后に浮上させる手法には舌を巻いたというほうが正確か。まぁ原作が長いようなので、その中から切り取った部分としては正解なんじゃないかと。おもろ+。