ちはやふる2 第2話

 菫のジェットコースター的感情の変化にビックリ。
 でも素人だからこその疑問を吐露させて視聴者に課題を提示するやり方は秀逸。かるたのどこがおもしろいか?という問いは、まぁ今かるたがマイナーであるからこそではあるんだが、それこそメジャーなスポーツでも当てはまる。というか、メジャーなものは純粋にそれ自体が面白いというよりは、むしろメジャーだから目に付きやすいだとか、やれ虚栄心だのといった他の要素が絡んできて本当にそれそのものが面白いのかどうかわかんないという別の意味が付加される。メジャーでもないかるたになぜ興味が?という問いそのものが、おそらくかるた選択者にとっては本質に迫っている可能性が高い。
 原田先生の「わかんない」といった答えもなるほどそうかもしんないとは思いながらも、よくよく考えるとこういう台詞が答えとして成立するのも時代の変化を感じる。それこそ上記の問いかけにもつながると思うのだが、まだ日本が貧しくて娯楽の多様性が無かったころにはめぐり合いそのものが奇跡でしかないという場合が多かったように思われる。昔に比べたら、今は選択肢がたくさんあって、しかも意志があれば探すことも求めることも簡単になっている。原田先生が45年だかやってると言ってるが、それだと高校から始めたとして還暦、小中学生のころから始めたとして50代、まぁ40代ってことはないだろうけど、そうだとしても40代後半だから、物心ついたときに高度経済成長期は終わっているか盛りのころであって、急速に日本が豊かになった頃の世代には間違いがないだろう。それ以前の世代だったら、おそらくかるたの楽しさとか以前にかるたとの出会いを語ったりしたものだと思うが、「面白いかどうかわかんない」という台詞が成立してしまうという時代の精神性や、それを可能にしたこの国の豊かさには驚くしかない。
 それと、今回気になったのはおそらく新入部員がゆとり世代のメタファーであるということ。自尊心が高く、かといってそれを裏づけするものが貧弱であり、周囲の気遣いをやたら要求する姿にはあっと思わされた。まぁ原田先生が昭和世代であることは間違いないとはいえ、じゃぁ千早たちはどうなのか?と言われたら、でもメンタリティは昭和世代としか思えないんだよね。で、ゆとり世代への対応がこれだけめんどくさいというか、千早たちが見せる所業が神がゝっているんだが、あれほどの対応をしないと動かないのか…と思うとやるせなくなるな。なんであそこまでやってやるべきなんだって絶望。今後新入部員がエキセントリックさを残しながらも更生していくという描写になるんだろうけど、なんだろ、昨今企業なんかで問題になっていると思われる奇妙奇天烈なゆとり新入社員への対応への思いやりが感じられるというか。とはいえ、この新入部員はゆとり世代でも酷いほうの例だと思うんで、ゆとり世代のよい面も見たい気が。だが、良い面を見せてしまったら苦難を乗り越えていくという物語の体裁をとることが出来ないので、なかなかそうも言ってられないんだろう。
 まぁそんなこんなで、前期のかるたをめぐる熱い物語とは違った側面に光があたっていていろいろ考えさせられる構成になっていた。