LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜 第13話

 なんだ、このオチは。
 峰不二子の記憶が改竄されていたということだったらしい。不二子について視聴者に見せていた過去がみんなウソだったことで、不二子は自分自身を取り戻し、ある意味アイシャとその母をゲストキャラとする物語にルパン達が関わっていくという構造になった。しかし全話を通したネタのわりにはタネ自身が今一卑小な感じがして肩透かしを食らった感じだ。まぁ巨大に見えた敵が実はちっぽけなものだったという結末はいろいろな作品に出てくるのであり、よい悪いといったものではないんだけど、自分の視聴態度が「峰不二子の過去に乗り気でない」というものだったゞけにちょっとね。
 もう総評に入ってしまうが、一連のシリーズが結局のところ自分で考え行動するというものと他人に操られるという対立に見えた。アイシャの遊園地を出てからそれぞれ自分を取り戻したキャラたちが動くシーンはそれまでとはうって変わって色彩豊かな描写だったから当たらずとも遠からじだろう。奇しくも現実社会は、アニメが自由を獲得したのとは反対に、他人に操られ自ら抑圧される道を進んで選び取ったという選挙結果となり、これまた感慨深いものがある。
 うーん、別に後半も出来は悪くはないんだけど、自分的にはやはり不二子の改竄された過去に今一ノれなかったので、ちょっと盛り上がりに欠ける結果となった。おそらく自分の世代に向けた作品であって、そういう配慮をないがしろにするのも苦しいが、おもろという評価にしてみた。オペラ歌手とカストロライクな革命家の回は抜群だったんだけどね。