LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜 第4話

 こんなのルパンじゃないやい。
 驚いた。第1〜3話までゞ、(不二子)、ルパン、次元、五ェ門と紹介してきたから、あぁなるほど次はとっつぁんの紹介ねと思ってたらこれだよ。まぁ今までのゲストの織りなすドラマが面白くなかったわけでもないんだけど、今回は終わりに答え合わせをする謎としても面白かった。まづ、大道具が怪しいとミスリードさせ、ゲストヒロインが主犯ってのも読めないし、今までのエンディングにみられるようなやるせなさとは対極の爽やかさ。昔見たルパンだと、蓋を開けてみればお宝をフイにしてガッカリなんて結末が良く見られたんだけど、そういう骨折り損のくたびれ儲けという放り投げで終わってないんだよな。炎の中に投げ入れたお宝は、ゲストヒロインが焚きつけにいゝとか言っていたが、仮面自体が燃えているという描写じゃなかったし、ルパンも「燃えた」と言わずに「真っ黒焦げになった」と言っているから、小国の国家予算を凌駕する価値のある仮面そのものである可能性が高い。おそらく不二子がそれを盗みに来たのを承知の上で、アレより価値のあるものがあるでしょ?という問いかけ*1になっている。
 自分なんかゞゲストヒロインほど割り切れるか?と考えたときに、日々倦んじゃうだろうなと思いながらも、実は一番欲しいものを手に入れ、自分自身が華やかな舞台に立たなくとも、その華やかな舞台に一番近いところに居ることができ、裁量が一番与えられている状態であって、実は理想的な環境なんだろうなと思い至った。もし歌姫として立ち続けていたら、絶頂の時期から実力が衰えたり、ちょっとしたトラブルでいつ転落するかわかったもんじゃないことを考えると、最高の身の引き方ではあるんだよ。
 薬品で体の一部を焼いても愛情を失うことはないと見切っていることゝいゝ、あの生活を心から楽しんでいるように見えることゝいゝ、本当に現実社会にこんな女がいるかどうかは疑わしいんだが、仮にいるとして、凄く賢いし、こういう女と連れあいたいよなと思わせるに十分。見ていてこっちの居ずまいを正してしまうほど今回のお話にはやられてしまいました。なんだよ、三文芝居じゃないとルパンじゃないとか言っちゃったけど、三文芝居風ってだけで、しっかり作られた作品じゃないですか。

*1:もちろん目の届く範囲で、アレを他人が盗めないような状況にしたとも受け取れる描写になっている