LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜 第10話

 オスカー、置いてけぼり。
 うーん、なんだろ?。こういう一人芝居ってのは普通自分は見てゝ飽きてしまうものなんだけど、結構見入ってしまった。何が幻想でどこまでが現実なのかわかんないって描写もバランスが良く、特に博士がルパンをメスで刺した傷の扱いが印象的。ほのめかしを多用して何が言いたいのかよくわかんない話もあったりするが、これはなんとかついていけるような気がした。
 製薬会社が悪巧みでカネ儲け、なんて構造はユダヤというかユダ金的なものを感じさせるが、ユダ金批判というよりは、今回のテーマの一つである、人を支配するものは恐怖という構造の提示だろうね。この恐怖による統治は、今中性に関する本を読んだ限りではあまり中世にあったものというより、近代以降エスカレートするような気がしないでもない。そういうのを今回のように薬だとか隠蔽だとかによってそれと気付かせないようおこなうって構造がまた恐ろしい。
 というわけで、峰不二子を登場させないで過去を暴くとか、秘密が暴露された割には話はそう進んでないこととか、結構技法的に面白いものがあるねぇ。ルパンのひょうきんな態度もギャグというよりはシリアスに振りかけられたスパイスって感じで内容は真面目そのもの。なんかホント、大人向けって感じのスタイルで、以前まで自分が感じていた「不二子へのクローズアップはもういゝや」って感じが払拭されてしまっている。あと3話かぁ。なんか物足りないが、その物足りない感がまたいゝんだろう。