まよチキ! 第6話

 なんだろ?、次回予告のネタに次号タイトルやシナリオが組まれてたりするのか?。
 おかしいな。なんか今回はめちゃくちゃ面白かったぞ。前半はちょっとダラダラしてたんだが、クイズ対決の終盤からやたらメートルが上がる上がる。まぁ萌えアニメにありがちな「ちょっといゝ話」になってはいるんだけど、切れ込みが素晴らしい。
 じっくり視聴者と対話するってワケでもなかったんだけど、宇佐美の語らいかけ「スバルは自分で変わった」ってところに宇佐美が到るところでクライマックス。演出的にはそういう風には見えないんだけどね。この構造は「化物語」で繰り返される「自分で勝手に助かるもの」と一緒なんだけど、流行なのか?。宇佐美が嘘つきだというのも、振り返ってみれば自分が得するために相手を蹴落とすという類のものではなく、むしろ方便みたいなもの。
 社会人になると察せられてくるものだとは思うんだけど、チャラ男やチャラ美とか、コミュニケーション能力が高く組織の潤滑剤的役割として見がちなんだけど、人によりけりではあるんだが実は身中の蟲であることが多い。刹那的な楽しさで人を笑わせるような発言をしても、その発言で誰かゞ貶められるものが散りばめられていて、楽しそうな職場の外見とは裏腹に、無意識下のストレスが滅茶苦茶溜まったりする。で、なんかトラブルが起きたらそういうチャラ男とかチャラ美は全く使い物にならず、というかトラブルの原因だったりするんだよね。そういうのを経験してしまうと、宇佐美のあり方ってのは実はまっとうな人間の反応でしかない。周囲が楽しそうに見えても、その雰囲気中に拡散される欲得感情の瘴気に当てられて感情が不全状態に陥るというか。そういった中、宇佐美は楽しそうな人間に焦点を当てるのではなく、自分と同じ境遇の人間を捜して観察するんだよ。
 まぁそこで宇佐美が結論に到るというのを冷静に捉えてみると、恐らく女であぁいう境地に達するのはごくごく少数ってのが自分の経験での判断だ。大抵女ってのは他責的であんな結論に達することがないばかりか、反対方向の結論に到ったりする。だが宇佐美はポジション取りばかり気にする女ではなく、そういうのが苦手な女であるからにして、で、孤独なスバルを見て自分なりの解決方法を見出すところからして、そういう女共とは一線を画す存在なんだろう。彼女が近次郎に素直に打ち明けることこそが、「自分で変わる」ための一歩であるって構造がまたニクい。そりゃ近次郎は手を差し伸べざるを得んだろ。
 というわけで、宇佐美担当回終了。終わってみれば宇佐美は単なるゲストヒロインではなくって、彼女登場以前のスバルと同じだけの存在感があった。