パパのいうことを聞きなさい! 総評

 やはり2日前に原作を読んでしまったので、それとの比較もあわせてダラダラ書き殴ってみたい。結論としては原作もアニメもそれぞれ面白さはあったということなのだが、おそらく鬱陶しいと思うので以下トばし推奨。
 最初の1〜2話を視聴した感じ、政府あたりによる少子化対策の臭いを強く感じた。その後消費生活と貧乏生活の対比から共同生活とは何か?について考えさせるのかな?と思っていたら、以後その辺弱くなって日々の生活の大変さが続き、終盤に至って共同生活の歯車が合ってきたのかなと思わせて、最后祐太と三姉妹との別離をほのめかすという流れ。最后らへんで、迷い猫の原作者というのを知り、また原作第1巻が1クールでという話も目にした。
 原作との対比で言えば、上記第12話の感想でも述べたが、明らかにアニメは子供は社会全体で育てるべきというメッセージが強く付加していると思われる。迷い猫のほうは幼児がいないせいか、どちらかというと仲間内での助け合いという要素が強く、これはパパ聞きの原作もそう。原作は大家は台詞すら与えられていないし、声優も商店街の描写も全く無い。また、三姉妹の姉二人は、アニメのほうが人に気を遣っている度合いが強いように思われる。DVなんかゞ昨今賑わいを見せていることからもやさしさの強調が必要なんかね?と思ったりする。
 まぁアニメに限らず、マスメディアの流す情報、それ以外にも人間が環境から受けるいろいろな情報や出来事にはすべて教育効果があるわけで、そういう意味では主人公のヘタれ具合からすると周囲があまりにもいゝ人だらけなのもちょっと違和感があるものゝ、そういう教育効果を狙ってのことなんかねと思わざるを得ない。話は逸れるが、世の中で犯罪が起こるとアニメとの関連性が取りざたされることが多いが、いじめなんかヴァラエティ番組のなかの芸人によるいじめコントなどの影響は全然言われなかったりするのは何故だろうね。
 共同生活をするにあたっての金銭感覚についてだが、これ、原作ではちゃんと言及されてた。ちゃんと三姉妹にも親の保険金が受け取れるということになってたし、祐太も姉の保険金が支払われるという涙なしではいられない設定になってた。たゞ、祐太が三姉妹を引き取る際には、その保険金を受け取るまでに時間がかゝるので、当座のおカネをどうしよう?ということだったのだ。親戚筋と祐太もそのへんの生活についての対面描写があって、それはアニメでは薄めであった。だから原作の既読者の感想が厳しめだったのも大いに納得する。アニメだと祐太は能天気なパヽ゜っていった感じだもんな。ちょっとその辺アニメは軽重がデタラメな感じはしたな。なんか誇張して視聴者をビックリさせたり、どうせ小難しいことは視聴者は嫌がるだろうから省略しちゃえみたいなテキトーなあしらいなんだろうか?。
 しかしなんだな、パパ聞きって、アニメだろうと小説だろうと、女は手にとらないと思うんだよ。で、おおきなおにいちゃん向けと考えたときに、「どうだ、家庭っていゝだろ?」とか、「パパになったときにこんなことに気をつけたほうがいゝよ」というメッセージは受け取れても、所詮男向きのエンターテインメントという範疇にどっぷり漬かっているんだよな。時々ドキリとさせられながらも基本甘ったるい世界。だいたい“ひな”の可愛さがほどんどであって、思春期の二姉妹の心のありようとかファンタジーだろ。友人の協力もありえんほどだしなぁ。なんかこういうのを読んで勘違いしちゃうのもどうかねという恐れも感じてしまう。
 とはいえ、やれ子供が凄く手が掛かる生き物であるとか、思春期の女の子がこれまた輪をかけて面倒なというリアリティを見せても、それには全く作品としての魅力が無くなってしまうわけで、そういう仮想を見せながら、果たして現実はどうなんだろ?と考えさせるにはよい問題提起の仕方だとは思う。理想形を見せておけば、足りないものは何なのか、そしてそれをどう調達すべきなのかという方向に流れるわけで、社会問題の全体像をこうやって考えるもよし、具体的な共同生活を作品から類推するってのもよしで、まぁエンターテインメントゝの同居で考えると、こんなもんじゃね?といったところ。物語としてしまらないなぁと思いながらも、枠組み自体はそれほど悪くなかったような気はする。それこそリアリティに寄った作品にしたいんだったらアニメじゃなく三次元ドラマにすべきだろう。
 音楽は実は割と気に入った部類に入った。絵については、原作を読むと原作者のモチベーションがイラストのなかじまゆかに拠るらしいのだが、原作絵を見るとあまりアニメは正確に反映しているようにも思わない。かといってダメってこともなかった。顔の造形がいつも鼻の下が伸びたようなキャラデザは気になったが、あれも一つの魅力だろう。続編があればぜひ視聴したいというのは前にも言ったとおりだが、評価自体はおもろ。