一時間半か〜。アニメはOP・EDを除いて正味20分ほどだとすると、およそ5話分の時間。台詞は読む時間のほうが聞く時間より速いだろうけど、倍って考えると丁度いいのか。
構成は大分違ってた。いきなり三姉妹との共同生活の描写から始まるんだけど、それはともかく、大学が原作では中央大学がモデルってことはない*1みたい。声優や大家、それから商店街の描写は全く無かったな。美羽のデートや学校での様子もなかったし、空の合唱部の描写もなし。美羽の貧血や部活をやめたってのは一文で示されているだけだった。あ、そうそう全部読んでしまいましたよ。
で、読了した現時点での印象は、これだけ違っていても抵抗が無いという感じだ。原作では簡潔に述べられていることをかなりアニメでは補っているようなんだが、オリジナルな部分があっても、根幹の部分は変わっていないってことなんだろう。親戚筋の描写がちょっとアニメとは違う感じがするんだが、こちらは原作のほうが詳しいって感じかね。アニメは原作より増量していてもクドいと感じなかったのだが、逆に原作があっさり目と感じてしまうぐらい。かといって原作がものたりないかと言われると、それも違う。
原作の良さはやはり一巻全部を通じてのテンポというか流れのコントロールの部分。どうやら一気読みを意識しているようで、特筆すべきところは、三姉妹と祐太が同居しているアパートに、仁村・莱香・佐古と日を置いて訪問していくあたり。キャラのそれぞれの魅力はアニメほど発揮されないんだが、だんだん盛り上がって場が賑やかになっていく過程が凄く楽しい。そしてその盛りあがりの頂点からの墜落の部分がまた良く考えられている。で、そこからラストにかけての展開がちょっとドン臭い感じがするのだが、なんともラノベらしい抑え方。
アニメのほうだと家族礼賛って雰囲気が鼻につくんだが、原作はそういうのは薄め。もちろん家族を持ち上げてはいるんだが、そういう家族という不特定な感じではなくて、あくまでこの作品キャラ同士の繋がりが重視されているような感じを受ける。しかしなんだろ?、原作を読んだらアニメとは違った視点なり気付きが得られるか?と思ったが、そういうのは無かったな。
しかし飛行機事故にあった三姉妹の両親、祐太の夢では現地で生きているって情景を描いていたが、遺体は発見されてないので最終巻でひょっこり出てくるって結末じゃぁなかろうな?。まぁこの作品のキモは共同生活のドタバタから得られるものであって、ドラマ性じゃないから両親の最終的な生死はどうでもいゝんだけど。
アニメの続編があるかどうかはわかんないんだけど、原作は続きを読むかどうか迷っちゃうな。つーか、アニメの出来は悪くないよ。先を急いで読むという自分の態度にも問題があるんだけど、アニメのほうが余韻が大きいと感じる。貧血になった美羽や部活を辞めた空が祐太に垣間見せた我慢の表情は、これはさすがにアニメのほうが抜群に良い。尺が長くなったおかげで、そういう表情付けができることによるメリットがかなり発揮されているんだよな。そういうのは原作にはちょっと足りないので、続巻を注文するのに躊躇させられる。まぁでも原作のシリーズが全部アニメ化される可能性はほゞ0ではあるので、アニメ化を待つのは意味が無い。
いや〜、堀江由衣、偉大だな〜。原作読んでゝはっきりと脳内で再生されるのは彼女ぐらいのもんだ。アニメを視聴しているとひな@五十嵐裕美がキョー烈なんだけど、原作読んでるとそうでもないもんな。あとやはり脳内で再生されがちなのは喜多村英梨、小野大輔、間島淳司あたりの脇を固めるヴェテラン。でもやっぱり堀江由衣は別格だわ。
*1:どうも学部・学科構成が古い架空の大学らしい