ベン・トー 第3話

 裸族だとか日本兵だとかのほうがありえないのに…。
 いや、ギャグ漫画だと思ってたのに、全然真剣だな。馬鹿なテーマをそこまで掘り下げるか!という作品は結構あるが、これはそういう作品でもないし、見くびっていたのが恥ずかしいぐらいだ。
 今回は半額弁当を確保するのに集団を形成する剣道部が登場。表面的になぞれば、矜持が無いということなんだろうが、それだけに留まらないんだろう。群れることによって安全を確保すると言っており、なるほど弱者が厳しい世の中を生きていくために連帯するのは喜ばしいことではあるんだが、これはやっちゃいけんだろう、これはいわゆる集団の暴力だろうってのが描写されていて面白かった。
 あと、氷結の魔女の行動に色々考えさせられた。佐藤が剣道部と行動を共にするのを咎めないのだ。無理強いしない方針だと言っていたが、入部(入会か)はかなり強制的だったろ。でも今回の描写を見る限り、槍水はかなり包容力がある態度であって、むしろ母性的とも言える。角煮を分け与える様子は現代日本の様子からするとかなり象徴的で、なんでもない日常の描写のように見えながら、このシーンのおかげで全体が引き締まるという。