ラストエグザイル-銀翼のファム- 第3話

 ヴぇスパに跨ったミリアは、自分でも操縦できないのをわかってたのだろ?。
 えーっと、連邦の中枢部の説明とミリアが落ち着くまで。あ、あとグランレースの説明か。キャラの背景とかありきたりなんだが、それでもなんだろ?、あんまり粗を探さずに没頭できるんだよな。正直連邦の2将軍が協同して戦うシーンもいらないといっちゃぁいらないんだけど、一通り形式は抑えておいたのだろう。前作からしてそういう作品だったし。
 ありきたりなテキストなのに、始終ウルウルしながら視聴してたんだが、こうやって後から考えてみるとなんとなくその理由がわかるような気がする。空賊たちが追い風を合言葉…というより挨拶にしているのも、結局のところ現代人に対するエールなんだよな。もともと追い風が吹いているのなら言う必要はないのであって、じゃぁいつもはどうなのか?と一歩進んで考えてみると、それはおそらく、あなたを含むわれわれには逆風が吹いているから…ってのが前提なんだろう。その逆風が現代日本を覆う閉塞感だとか、権力層からの圧力にあたるんだろう。ファムがミリアに語った、迷う翼は風が支えよとあるとおり、仲間同士で助け合おうぜという気風は十分に感じられる。
 ミリアが姉の使ってた金属杯に執着したのは何故か?とちょっと引っかかった。前にトゥラン王が指輪をファムに与えていたから、王族とは成り上がりモノとは違って物には執着しないんかな?と思っていたのだ。姉が傍にいたらきっとミリアも金属杯には執着しなかったと思うんだけど、消息不明だから姉の身代わりとして考えていたんだろうな。いやなんだろ?、連邦の女王?であるサーラ(アウグスタが名前かと思っていたが、名前を呼び捨てってのはちょっと考えにくい。陛下だとか敬称にあたるものなんだろうな)も、幼い見かけながら自分の権力基盤が人であることをどうやら知っているらしい。
 うーん、自分はもうちょっとこの作品は様式美にはしるのかと思っていたが、そうでもないようだな。それほど情感たっぷりというわけでもなく、どちらかというと割り切った描写のように思えるのだが、社会性を維持するため、人間の関係性を保つために必要なものは何か?というソフト面をハード面より丁寧に描いている感じがする。もっと早くこの作品を見切ってしまうんじゃないかと心配してたんだけどな。構造は単純だけど、ちょっとした味が感じられるといったところか。