No. 6 第10話

 あれほど饒舌だった次号予告がたった一言に。
 ん〜、なんだろ。退屈はしなかったンだけど、ちょっと物足りない感じ。もちろんクォリティが低いってわけじゃないんだけど、ゴミと同じ扱いをされた人間の描写があっけなかったり、紫苑が初めて人殺しに手を染めるのも本人は途中まであっけらかんとしてゝ、ネズミの悲痛なはずの思いが空回り気味に感じられたしで。自分は普段骨格がしっかりしてればオッケーとか言っているのだが、こうもダイジェスト風味だとそれはそれでもどかしい。なんて贅沢なと自分でも思ってしまうが。
 どうやら沙布の導きがあっての色々な結末のようだが、これも駆け足っぽい雰囲気。ネズミが紫苑に変わって欲しくないと言ってたのだが、人殺しに手を染めることになって「紫苑が変わる」きっかけがなんかしょぼいというか。いや、紫苑が変わるぐらいのショックはまだ次回のお楽しみなんだろうか?。それとも冒頭のところで終わったのだろうか?。研究所らしきところのセキュリティはハラハラ展開のために立ち回りシーンとなっていたが、いやもう沙布に導かれているのならなんか余計な描写のように思えてきた。
 クライマックスは次回にとって置いているんだろうが、どうなんだろ?、現代日本の酷さのメタファーとしては、もう前回で終わっているような感じがする。次No.6が壊れようと壊れまいと、沙布が助かろうと助かるまいとリアリティは無いんだろうな。ハッピーエンドで終わるのだとしても現実味が無ければ、「なんじゃ、そのキレイ事は喰えるのか?」といったシラケになるだろうし、バッドエンドで終わるのだとしても、「厳しい現実を見せつけるだけで、少しでも現状打開の方策を示しもしないのか」といったものになるだろう。あさのあつこだとどちらの結末も避けるのだろうなというある程度の安心感がありはするのだが、それはそれで中途半端なんだよな。いや物を語るってのは難しいな。