花咲くいろは 第18話

 街ではあんなナンパが流行っているのか。
 そういやあまり繁華街に遊びに行くことが無くなったな。食料などは近くのスーパーで買うし、それ以外の品はネットで購入することが多くなった。目と鼻の先にある本屋にすら行かなくなったしな。繁華街なんて全く用無しになったような。もう若者という歳でもなくなったし、子供がいればつれて遊びにでも行くことがあるかもしれないが、結婚すらしてねぇし。
 というわけで、なこちーの語り。本当の自分云々という話だった。自分探しってのではなかったのだが、他者との関わりにおいて再確認するってゆー、まぁいつものパターンといえばそうかも。いきなり散財しだすとか、唐突のような気もするが、なんか気持ちはわかるような気がする。現代において既に消費というのが自己表現というか、一歩進めば大袈裟とは思うんだが自己実現ということになってしまっており、そのために労働する(させられる)って、なんか本末転倒な感じがするが。
 最近読んだコンサル系のメルマガに、被雇用者が若いウチは、その実績・成果に給料を払うのではなく、成長を見込んでの期待値として…なんてのを目にした気がする。その結論が、そうしないと有能なものからスグに辞めてしまうだったのか、だから給料は払いすぎだという流れだったのか、結論は憶えていないのだが、なるほどそういう見方もできるかと感心した記憶がある。が、なこちー父の言っていた、褒めてやって成長を促すってのではなかったような。まぁそれはともかく、スイの一言で評価されたと受け取ったのか、それとも再確認できて納得したのか、なんかスッキリして話は終わった。
 話は整っていたけど、自分にとってはあまり訴求力がなかったかな。もしかすると、自分はもうオッサンなのでそういうのを通り過ぎちゃっているのかも。一昔前にオンリーワンってのが流行ったのだが、たとえ仕事上努力して職務上の要という位置に居たとしても、必ずしもその人が居ないとダメというものでもない。仮に重要な人だといっても、居なくなったら居なくなったなりに仕事はまわっていくのであり、いやまわらなくなっても、部署がなくなったり別のものに置き換わるとかして、変化を伴いながら事態は動いていくのであり、結局のところ人材だけでなく、組織・システムは如何様にも交換可能であるんだろうなと悟ってしまうと気負いがなくなるんだよね。所詮与えられた前提で最善を尽くすしかないし、それ以上のことができるわけでもない。別に仕事に情熱が無くなったというわけでもないんだが、あまり仕事で自己実現を図るなんてのも総体的に見れば迷惑なことも多々あるよなとこの歳になってわかってきたような気がする。
 この作品の感想としては大幅にズれてしまっているが、いや、職場にはそういうことがわかっている人もかなりいるんだが、なんかヘンにこだわって、周囲に利己的なモノを押し付けて余計な口だしをする人もいたり、まだそういう人は情熱があるんだろうから(いや、バカなだけに迷惑なんだけど)納得は出来なくても理解はできるが、保身というか出世というか、自己実現や職務上の居場所なんて考えすらなく、そいつの思い通りにしようとする管理職とかゞいて、またそういうのに限って職場を引っ掻き回して荒らすんだわ。そんなのを10年単位で見てしまうと、まぁなこちーの悩みというかそんなのは、あぁ、そんな時期もあるよねなんて感傷の対象にしかならないというか。前回で若旦那の勇み足が描写され、それなりに損失も出たんだろうけど、スイのあり方を見るとまだマシな職場だよな〜とは思う。ウチもそうなんだが、ブラック企業あたりだと映画化の決定者でなく、反対した人間が責任を負わされたりするぜ。責任感もあり判断力のある経営者だからこそなこちーが悩めるのであって、そうでなければ悩む前に辞めてるか潰されているかのどちらかだよな〜。
 いや、もちろんこの作品のターゲット層向けとしては非常に適切な話運びですよ。