伝説の勇者の伝説 第11話

 やっぱりクラウとかカルネとか無能じゃん。
 結局ローランドを保全するなり、改善する腹案を持っているのはミラン、もしくはシオンだけってことか。シオンに周辺国状況を説明されて自分たちが何をすべきかとか、シオンはこう考えているだろうと少しは悟った風ってのがクラウ達には全く見られなかった。それでも与えられた任務はこなすようだから、要するに作業はできるが仕事は出来ない人たちらしい。そういう人たちを元帥とか、判断力が要求され、最終決定権を持つ地位につけちゃダメでしょ。で、原作者はそこらへんを意図してストーリー作りをやってるのかね?。これだけミランの仕事を持ち上げているから、クラウ達をキレイ事の好きな指示待ち人間に仕立ゝているのは作為だと思うのだが、なかなか難しいわな。
 今話のミルク隊長を巡る話もそうなんだが、こゝ10話ほど視聴して、どうもこの作品はどちらかというと女の子向けなのかなと思ってしまう。だとすると、クラウ達をミランより何段か低く扱っているってのをあまり悟らせたくはないワケだ。ミルクの周辺情報をわかったうえで、ライナーを捕縛するつもりなどないのに、それを見越して彼女を討伐隊の任につけているって意図も巧妙に避けられていて、あくまでミルクを大切に扱うという描写にしているのもそうだろう。
 で、今話のライナー達の行動も煮え切らない。少年の父が撲殺されてしまうのも、視聴者としてはドン臭いことこの上ない。もちろんライナーが同類が虐げられる様を見て我を忘れてしまっているから、正常な判断が出来なかったという説明はきちんとされている。で、父親が殺されることで、ライナーの悲しみを深めているのもわかる。でもやっぱり視聴者として見殺しはないだろと思ってしまうんだよな。
 まぁ言ってしまえばヌルいんですわ。この作品の言いたい事はわかるし、同意もできる。で、ちゃんと人も殺しているし、現実を見据えてもいるわけなんだが、やはり女の子向けの説明のためか、クッションが多すぎるって感じか。もたもたする感じがちょっとストレスになる。女の子向けってだけじゃなくって、社会人でない人向けでもあるんだろうなとは思うんだが、何とももったいない話である。苦悩の時間を長くとりながらも、キャラがもたもたするというストレスのないテキストは書けそうだと思うんだけどなぁ。確かに社会人だったらわかるどぎつさ(大人の汚さの描写)をうまく回避しながら、ありうべき指針(キレイ事を指し示す)を提示しているとは思うけどね。この作品のターゲット層がオッサンではなく、小学校高学年〜女子中学生だと考えると、よくできてはいるんだよ。ということは感想対象作品にしちゃった自分の見込み違いって事なんだろうなと。いや、別に面白くないって訳じゃないけど。