学園黙示録 第7話

 やっぱ戦闘中のお洩らしは佐藤大輔作品には欠かせないよな。
 いや〜、かっこよかったですね。この女の子救出劇のために独立したようなお話になってる。でも目の前の正義感に駆り立てられて却って自分の身を危険に晒しているような気が。男の子チームは寝てないんじゃ?。
 人間でありたいって願望は、こういう脚色された物語だからこそ主張できるもので、実際にはなかなかできないことだよな。早く人間であることを捨てて生き延びることを選択するか、人間であることを捨てきれずに喰われて終いってトコが関の山だろ。で、この作品の絶妙なところが、生半可な判断力が通用しないほど状況が厳しいってワケでもないってこと。ゾンビは音に反応して、それを見抜いた主人公たちがなんとか切り抜けることが出来るという選択肢が残されている。知恵を使えば生き残る可能性が増えるというパワーバランスが考えられているからこそだよな。
 女の子の登場シーンがこれまた劇的だよな。父親の死のシーンは衝撃的。で、納得なんだよな。家の中のキャラの行動もそうだし、父親が必死で戸が開くだけで安心しきってしまうところとか。いきなり攻撃するという知恵はあってもなくてもいいんだけど、妙にリアリティがあるというか。あと、音に反応するゾンビが戸を蹴破ってまで侵入しないってのも設定として良く考えられていると思った。
 餓鬼をメムバーに入れるのは、物語的に「将来の希望」ってのを埋め込みたいからなのかな?と考えてみたが、良くわかんない。なぜ男の子でなく女の子なのか?と言えば女という性が人間の再生産を行うことが出来るものだからというのを考えてみたが、単に絵面だけのような気もするし。で、メタファーついでにいえば、やはりゾンビは日本人でもB層を示しているのか?と考えてみたり。まぁ別に今のところ特権階級が明かされているわけでもなく、そいつらに扇動されているってワケでもなさそうなんだけどな。ただ、一般人の中から攻撃しやすいものを生贄にして食い物にし、ゾンビをふやしていく様ってのは、自分自身が生き残るために考えぬくってことをしない愚民の姿に似てるんだよ。あんま特権階級に喰い物にされる非正規労働者などの底辺層って感じはしないな。まだゾンビ化していない人間のほうが状況に翻弄され右往左往しているって感じがする。ゾンビはまったく何も考えず、ただただ単純な行動(欲望?)で人を襲っているワケだし。
 まぁそんなわけで、孝の最後のモノローグ以上に状況は厳しいのではないのかなと、威勢のいい展開の後、こっちまで心配になってきますよと。今後の展開だと、ゾンビに対する気の緩みが危機を招くって展開よりは、環境の激変に晒されるんじゃ?って予感がするのだが。