荒川アンダーザブリッジ 第7話

 冒頭から中二病的ポエム。
 原作者の名前を間違えていたよ。脚本と同じと思っていたのが恥ずかしい。で、ここ2〜3話でOPがかなりお気に入りになってきた。ポップでノリがいいのに耳障りがよく穏やか。で、まさに中二病的歌詞ながら、なんというかね、他人事のように語りながらその実どっかに自分のホンネが隠されていそうなところとか、はぐらかしていながらも恋しているって気持ちがなんとも微笑ましい。もう自分もたいがいなオッサンなんだが、こんな歌に惹かれるとはなんとも。まぁ、自分は電波ソングを楽しんで聞ける手合いなので、抵抗がないってのが大きいのかな。中高生のときはこんな歌にときめくはずもなかったのだが、今になってジワジワくるとはね。歳を取ってわかったのはいいけれど、お気に入りにするのには恥ずかしい歳になってたと。まぁ若い時分の自分が幼かっただけなんだけどな。
 今話は学校編とP子のドジっ娘ぶり&恋が大きな軸になってた。見ている最中にはちょっと上滑りと感じがちなのだが、あとからジワジワくる感じだな。感想を書いているうちにスタッフの思惑に気付いたりすることが多いのだが、この作品だとあるシーンの意味がちょっと後からわかってくる感じ。多分第1話ぐらいだともたもたしているって感じてたと思うんだけど、そのもたもたに意味があるんだろう。そしてそういうことを意識して作られているっぽい。
 学校編だと星とのかけあいも面白かったが、存在意義についてがなんといっても面白かった。そもそもリクは仕事を持っていない自分が嫌だったから学校を始めたワケで、河原の住人たちの要請で作られたってものではない。だからリクが何を教えていいのか迷うのは当然で、授業をした所でグダグダになるのは必定。鉄人兄弟しか生徒がいなかったのも、どちらかというと他の住人はそれぞれの仕事があるからじゃね?とか思ったよ。そうだとすると学校に来るのは仕事を持ってない子供だけってのはなるほどである。鉄人兄弟にしたってドラム缶湯の仕事をやってないときに来るわけだろうから。でも彼らは読み書きができないっぽいから、学校の存在意義はあるよなということで。
 P子の謎もなかなか考えさせられた。村長に惹かれるのは、彼の外見からするととうぜん彼女は内面に惹かれたはずだと思って彼の今までを振り返ると、なんだかわかるような気が。特にリクがあたふたして虚勢を張るところを見ちゃうと、かっこいいいかどうかは別にして村長のあり方は和むものがある。ただP子がヘンなもの好きであるという次元ではモノが語られてないよなと。
 で、P子は冬はいなくなっちゃうって発言からするとどうもこの作品の舞台はアジールなのかもと気付きはじめましたよ。初めは日本とは文化の異なる集団もしくは「外の社会」からドロップアウトした集団だと思っていたけど、その後てっきり一般日本社会に内在するものを抽出して見せてくれるものかもと思い始めていた。が、結構出入りの自由なところを見ると柔軟なアジールなのかもと思ってみたり。でもまぁいろいろな見方ができるので、あんまりこの作品の舞台は○○のメタファーって断定をしないほうがいいのだろう。