迷い猫オーバーラン! 第5話

 千世はクラブ活動をほっぽらかされた後すぐにストレイキャッツに入るのかと思ってたんですが。
 前回がちょっとシュールだったゞけに今回視聴するのが憂鬱だったんだが、いやはやなんとも泣かされてしまったよ。なんか監督がコロコロ替わるみたいね。今回の話を前回の大地丙太郎が取り扱ったらどうなってたんだろう?。
 しかし、この話もモロ「本当に欲しいものは与えることによってしか得られない」を地でいく話だったな。で、千世はその本当に欲しいものを与えることによって得たワケだ。そういう意味では今回は千世回だと言っていいだろう。
 で、なんとも面白いのは竹馬園の擾乱。自家用カスタムリムジンで千世を暗黒面に墜とす*1ところとか、なんともな。巧は竹馬園に悪気はないとか言っているが、どう考えてもそれはないだろ。二度見してみたんだけど、竹馬園は千世がストレイキャッツに入るように工作したようには見えない。
 で、竹馬園の暗躍なんだが、競合店を作ってストレイキャッツを追いつめるよう千世に吹き込むってのがなんともな。ストレイキャッツが潰れて巧たちが梅ノ森に拾われるのを選ばずに落ちぶれても、梅ノ森に拾われて彼女の奴隷になっても、そのどちらでも梅ノ森は幸せになれるのか?。竹馬園は千世の記憶までは知らないだろうけど、千世がお嬢サマだろうとなんだろうと関係なく手を差し伸べる巧と友達になりたいんだったら、上下関係なんて無いほうがいいわけで。千世が欲しがっているものを与えられるか?と問うからには、実は竹馬園がいろいろ見通して巧に悟らせるよう行動したとも考えられるんだけど、仮にそうだとしても、日々の糧に苦しんで貧乏ヒマなしの巧をさらに追いつめるってのがスゲェ傲慢だと思うがな。まぁどぎつい表現は避けてはいたけど、竹馬園が他人を見下す演出は確かになされていたわけなんだけど。
 というわけで、ちょっとトンチンカンなところはあるけれど、なりふり構わず人のために行動する千世だったら、初めから「ストレイキャッツは経営不振なんだから手伝うというのを口実にゴニョゴニョ」とか言ってたら済んでた話だろ!と思い、実はそういう展開をツンデレだとか馴れ合いだとかの萌え描写で水増しするんだろうと思ってたが、この世の金持ちの傲慢さをつとに感じさせられた一品だった。だいたい梅ノ森学園自体が慈善事業みたいなもんだから、たかだか一軒のしがねぇ店舗を潰すことを千世が考えること自体がおかしいっちゃぁおかしいんだが。ただ、千世が困難を克服するだけでなく、巧の側も困難を克服するっていう相互相補的展開は確かに見ごたえのあるものではありましたよ。

*1:あのタイミングで巧と仲違い云々言ってたから、どう考えても千世のお付きのメイドと竹馬園は繋がってるだろ。