閃光のナイトレイド 第5話

 何が言いたいのか?。
 そうそう悪いお話でもないんだが、どうなんだろう?。作品の目的があって、それに向かって終息していくように各エピソードが組み合わさっていくってスタイルの作品が大半なんで、ちょっと戸惑う。
 敢えて言ってしまうと、今までの各エピソードのテーマは「男の生き様」なんだろうなという気がした。第3話でこの作品のメインエピソードがあることが明らかになったものゝ、まだまだ本筋には至っていないということか。
 で、そういう視点で今回の話を見ると、ゲストキャラの西尾は葛の友人設定で、後半に至るまで姿を見せない。行方不明の友人の足跡を辿っていき、少しずつ西尾の姿を明らかにしつゝ、終盤で登場させて息の根を止める。ゲストヒロインの台詞で西尾はどうやら破滅型の人間らしいことをほのめかし、追いつめられていることを示して、〆る。中盤で既に結末は決まっているんだよと示して、その通りに流すだけ。要するに様式美を示しているだけなんだよな。下世話に言えば、「わかっちゃいるけどやめられない」ってパターン。
 昔はこういうスタイルのストーリーは結構あった気がするが、そういや最近見かけなくなってたよな。いや、これ大きなお姉さん向けの作品なのか?。表現の露骨なレディコミに比べたら上品過ぎるぐらいだが、需要はあるのかな?と心配してしまう。というか、もうこういう作風とか自分ぐらいの世代より若い人は理解できなくなっているんじゃないかと思うんだが。
 で、今回の話と関係ないことをうだうだ流してきたわけなんだが、おもしろい話だったか?と言われると、そうじゃないと断言できるのだが、かといって、つまらなかったか?と言われると、これまたそうじゃないと断言できる。自分的に今回惹かれたのはなんといっても女の情念の部分。帰って来ないとわかっていながら、それでも西尾を待ち続ける愛玲のある意味超越したような姿だよな。いや、超越しているように見えながら、心の奥では会いたくてたまらないってのが行動でまるわかりだったりするところとか。西尾を理解するためには馬鹿であってはいけないが、かといって西尾を待ちつづけるのは馬鹿そのものであるってね。遠藤綾が特別うまい演技であるとも思わないんだけど、でも静かに語っていてもどこか華のある声質が嵌っているような気がしたよ。今回はまとめの解説がなかった分、すっきりしていたような気もするね。
 冒頭の街の描写が丁寧なところといい、雰囲気アニメとしては上質だと思うんだがな。需要があるかどうかは別として。話が大きく動いたらまた違った様相を見せてくれるんだろうか?。