大正野球娘。 第11話

 次回、もしかして勝つのか?。
 いや、なかなか楽しいねぇ。展開がはやい割に、ポイントが押さえてあるのか、ドライヴ感があってこちらまで昂ぶってくる。
 小梅と晶子は家の不理解?って対比があって、小梅のほうは、父の対応がすべて語られてなくて行間を読ませる作り。父は小梅が野球をやることに反対しているという風には言っておらず、あくまで黙ってというか騙していたことに怒っているらしい。今までの描写で、父は小梅を甘やかしているわけではないことがわかっているので、父親の心境を想像するのが楽しい。対して、晶子んちでは野球に反対しているのは母親らしい。そして、これは一貫して姿を見せておらず、親子関係を暗示。松坂の台詞によると、いつも晶子は家では従順らしいというのが意外。最初は男女の役割について憤慨していただけに、彼女の立ち居振舞いが想像される。
 で、晶子なんだが、松坂をスルーして助けにきた小梅に抱きつくも、車が横転した時の松坂に感謝の言葉をかける姿は、気品を感じさせる。
 試合運びも無理がないように思えた。男女差はあるにせよ、なにせ大正期の野球はテクニカルがまだまだ未熟な時期。相手はこちらを女子とみてたいした分析もせず、いやそれでもスキルと体力で勝てるだろという態度であり、こちらは相手を十分に分析して出せる力を出せるだけ出して相手が油断しているときに点を取れるだけ取る。これ、実写だと途端にウソくさくなるよな。しかも非力なこちらが点を取れるのは、打者が一巡するぐらいというタイミングが自然。これから全力を出してくるだろう相手の猛攻をしのぎきれば勝てるかもって設定がなかなかにして燃える展開なのですよ。
 さて、次回は最終回だが、そういや雪、静、環の明確な担当回がなかったのが残念。自分はやはり巴のファンではあるんだが、巴の陰に隠れて拗ねたような場面の多かった静のクローズアップが見たかったかな。