ラノベ2冊読了。

 昨日少年テングサのしょっぱい呪文 (電撃文庫)、今日“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)を読み終える。一冊約1時間半ぐらいだ。テングサのほうが350頁ほど、文学少女のほうが250頁ほどだった。ちなみに文学少女のほうは、劇場版“文学少女” - エネルギー吸収と発散さんの紹介で購入を決めた。てっきり劇場版アニメを見てラノベも読んだって思い込んでいて、今確認するとアニメしか見ていないってことだった。
 テングサのほうは、作者がどうもラノベ界の人ではないらしい。そういやギャグのネタが自分にわかるほど古臭くて、こんなんで今ドキの若者に伝わんの?と心配するぐらいだ。要素の詰め込み方がラノベらしくなくて、ちょっと戸惑う。
 主人公のテングサはトラブルシューターの仕事をやっているんだが、全3章構成で、ほぼ第1章ぐらいしかその話がない。残りの2章でキャラを消費して物語全部が終わってしまうような感じなので、なんか拍子抜け。この第1章のエピソードとしての出来が悪くないので、こういうのをいくつか提示したあと、物語全部を〆たほうがいいと思うんだが、2巻がでるかどうかわかんない以上、グダグダエピソードを連ねるわけにはいかなかったんだろう。
 で、残りの2章も、いろいろ仕込まれた伏線などもあわせて最後のオチが、これまたよくできていたので、やっぱりもったいない気がした。その最期のオチに繋がる、重要なシーンが中盤に提示されているんだが、これも「ここがポイントなんだよ」ってのが自然にふっと現れて胸に沁みるようになっていたので、これはさすが長年ストーリーを書いているだけあるなと思わせるものがあった。
 でも、あらためて全体を見渡すと、どうも配置がヘンなんだよな。いやはやもったいないもったいない。
 文学少女のほうは、グイグイってほどでもないんだけど、最初からひきつけられるものがあって、ラスト三分の一の盛り上がりが素晴らしい。自分はモチーフの「人間失格」を半年ほど前に読んでいたので、それが幸いしたのか連想が楽だった。
 結構内面に踏み込むところが多いので、アニメ化は大変だったろうと思ったのだが、どうやらこの第一巻の映像化ではないらしい。そりゃそうか。該当巻を読まなきゃいけないんだろうけど、この第一巻を読む限り、わざわざ映像化しなくても文字で十分じゃないかと思うのだが、どうだろう?。いや、終盤の部分、読んでて泣きっぱなしぐらいの展開でしたよ。アニメなんて20分ほどの手軽さなんだが、アニメほどじゃなくてもアニメに近い手軽さで読め、しかも近年のアニメにはこれほど泣かされたものもないので、ラノベって結構侮れないなと妙に感心した。文学少女シリーズは後発のほうが出来がいいらしいので、また機会があったら購読してみたい。
 しかし、実際にラノベを読んでみたのだが、バカとテストと召喚獣 第13話 - カタログ落ちで述べたように、ラノベが大人層を意識して書かれてあるのでは?って部分には該当しなかった。やっぱラノベ原作アニメってのは、ラノベを題材にいろいろな視点が付け加わるものなのかもしれないな。バカテスでそう感じたのなら、バカテスを読んでみないといけないってことかね。