官僚の給料が安いのが悪いってのはちょっと違うような気もするのだが。

 日本は優秀な政策立案者のサラリーが安すぎるんじゃないか? : 金融日記
 例えば、明治期の役人の給料が安かったから、日本の発展はなかったのか?といえばそうでもないだろうし、戦後間もない頃の日本の成長だって、官僚の給料が高かったからってのも違和感がある。
 むしろ、このエントリーでいうところの「政策立案者の給料」は、実はバブル崩壊後桁違いに高かったような気がするのだ、その「政策立案者」とは、自民党の代議士やいわゆる「有識者」と呼ばれるクズ達だ。こいつらは、具体的な政策は官僚に任せて、自分の懐が潤うだけの「政策」というのを立案しつづけてきた。たとえ、政策立案時の給料の額面が安くとも、キックバック天下りで多額の報酬を得ている。派遣法をこき使う側に有利に変え、自分は派遣業の役員に天下りして年数億の報酬を得ている元某大臣とか、コンサルタント業に天下りしてやはり数億の報酬を得ている元某総理大臣とかたやすく例はみつかる。
 ただ、官僚にしたって、定年に近づくにつれ、ポストが少なくなり、ポストにあぶれて天下りしたりするわけで、自分の天下り先に便宜を図るってのはそうだろう。天下り先、渡り先の権益確保のために働いているってのはいかにもありえる。
 やはり、ここは歳をとって、パージされなきゃならない環境ってのがまずいんだと思う。課長・部長・局長と出世するにつれ、ポストが少なくなるのはわかるんだが、じゃぁそれまでに蓄積したものが無駄になる天下りを官僚に強制することが実になることなのか?と言われれば、無駄のような気もする。
 上のポストになると、権限も集中し、大きくなるってのも理屈ではわかるが、考えモノだ。そのポストの権限が大きいほど、出世競争が激しくなるわけだろ。そのために行われることが、実務面で改善されることなんだったらいいが、結局上に述べた「政策立案者」である政治屋有識者と称した欲深な経済界への便宜であって、まさしく国を売る行為だったりする。そして、官僚同士で行われることが、向上のための競いあいではなく、足の引っ張りあいだろ。あくまで全体の利益・利便を図る官僚と、政治屋や経済界への便宜を図る官僚のどちらが引き立てられるかは、今までの日本のあり方を考えたら一目瞭然。
 どうかんがえても、システム上の問題というか、倫理上のもんだいであって、官僚の給料の問題じゃないと思うんだがな。