手足を食い尽くしたタコ、今度は脳ミソまで食べ始めた。

 官僚の天下り、渡り批判喧しい今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?。ラジオをつけると、今日は官僚叩きと携帯電話叩きが激しゅうございます。小泉・安倍が公務員改革を骨抜きにし、教師叩きに忙しかったあの頃を振り返ると、隔世の感があります。で、来る自民党下野に備えて、閣僚も今まで閉ざしていた口を開いて、まともなことを言いはじめているものもございます。清和会あたりは党内の恫喝に余念が無いようですが、さすがに党首にやる気が無いとどう見ても指導力不足に見えてしまいます。
 公明幹事長 「渡り」の政令見直しも 魚拓
 お題の渡り禁止の件。先に言っておくが、自分自身は官僚の天下りや渡りに反対である。しかし、巷で解説されている通り、出世に伴ってポストが少なくなり、出世できなかった官僚が仕方なしにパージされる慣行は見直されるべきであると考える。
 よくよく考えて欲しいのだが、官僚たたき、もういいかげんにせんかい。 - カタログ落ち

役人というやつは、要するに、エライ地位につきたい動物なんだ。自分のことを考えんで、日本全体のことをかんがえてるやつなんて、本省の課長までさ。部長から局長、次官になるにつれて、大臣からなにかいわれてそれに反対するのは出てこれないね。

 という部分を見る限り、まず官僚が日本をダメにしているというマスゴミの風潮は取り除かれるべきだろう。官僚というのは基本就職の段階である程度は日本に尽くす覚悟があると見るべきだろう。で、それがだんだんと政治家の利権に絡めとられ、いつのまにか国民の害になるようなものばかりが選別されるようになっている。赤強調部を見てもらいたい。あくまで無理をゴリ押しするのは大臣であり、官僚自体は命令を忠実にこなすだけである。よくよく考えてみると、大臣の方針に反対する官僚は絶対に出世できないシステムにされてしまっているわけだ。この部分をマスゴミはスルーして、官僚叩きに邁進している。
 で、よくよく考えてもらいたいのだが、むしろ出世コースから外れた官僚が天下りを強制されるわけであり、公平無私に国家のことを考えて仕事ををしても、それが大臣の意に沿わねば天下りというパージにあっている可能性が非常に高いのだ。天下り先の斡旋や道筋は基本人事権を握っている大臣が決裁するであろうから、さすがに渡りを繰り返す元官僚は「能力が無いから出世できないが、しかし大臣のいうことを唯々諾々と聞き、自分の利益のためなら国を売り渡すことに躊躇が無い」可能性が高い。このような風上にも置けない元官僚は大臣に気にいられて渡りを繰り返しているという按配だ。
 このへんマスゴミの論調に乗っかって、安易に官僚叩きに走ると、まさに国が壊れてしまうので注意が必要だ。役人の中には大学の教授あたりや都道府県知事に天下りしているのもいて、これらは一見天下りと気付かないために危険だったりする。特に大学の教授という肩書きを利用して自民党に有利な論調を張ったり、何期も務める落下傘知事などには気をつけねばならない。権威を利用した洗脳(まぁケケ中がまさにその権化だわな)が施されていたり、知らぬうちに自民党の統制下に置かれてしまっていたりする。
 官僚の仕事は、基本大臣の下働きだ。大臣の的外れな要求をこねくり回して、彼らに有利な法案を論理の破綻が無いように作ったり、漢字すら満足に読めないバカ政治屋のために答弁書を書かされる毎日である。霞ヶ関官僚の大部分が、今まで自民党に利益を誘導するような法案を作らされつづけ、作文まで作らされているのだ。本来の仕事である、国民のための行政に割く時間はあまりに少ない。
 もっと官僚に国を細部から全体に至るまで観察できるような職場環境を用意し、国民のための仕事が出来るようなシステムやポストをもっと作るべきなのだ。政治屋が本来の仕事である立法に関しては全然能力もなければ、仕事すらしておらず、官僚が立法も行政もこなしているわけだ。
 さて、自民党は今まで官僚に対して人事権を振り回して、特権階級にだけ有利な社会構造を作り上げてきた。その手足というか、頭脳をいま啜り始めている。自民党のために尽くした官僚を、今派遣切りのごとく切り捨てている最中だ。さすがに自民党に魂を売り渡して国民を苦しめた高級官僚を許すつもりはないが、ここで官僚たたきをするのはちょっと待ってもらいたい。もしかすると、この官僚たたきに荷担して、本来罰を受けるべき自民党側の官僚だけのうのうと生き延びて、国民のために働いた(ている)官僚を国民が切り捨てることが無いよう注意すべきときだと思う。そういう仕掛けを自民党はうってくる可能性が高い。薬害エイズだって、課長級までが罪に問われ、本来の責任者である部長局長次官はのうのうと逃げのびた。戦う敵を間違ってはならない。