銀英伝見てたよ。

 某巨大掲示板で、名前が銀英伝キャラと同じってだけでスレが続いているのがあって、ようつべで『わが征くは星の大海』を見た。もう20年以上前の作品ではあるのだが、なんつーか、金髪もヤンも勤めている職場がクソということで、それは現在に通じるものがあってなんだかなぁですよ。
 まだ金髪のほうが恵まれていて、こき使われるんだけど、最初は足を引っ張られることもなくて裁量を持って戦っていた。第二戦では使い捨てにされそうになるんだけど、これまた裁量で切り抜けてた。でもその裁量の自由ってなんでか?っていったら、結局コネの強さかよみたいなところがあって、チートらしきものを感じる。
 ヤンのほうは、上司がまさに「バカな大将敵よりこわい」であった。まぁフィクションなんで、マトモに議論するのもアレではあるが、やっぱ現代のブラック企業に通じるものがある。部下のほうが正しい判断をしているのに、管理職が面子のためにトンチンカンな持論をゴリ押しして、まともな意見を圧殺。ゴリ押しする根拠が「自分のほうが身分が高いから」。もうアホかと。
 ヤンはそれでも「自分が無理にでも意見を強く言っていたら」とか言ってるんだけど、いや、強く進言したっていうこと聞きゃぁしないぜ。逆に解任だよ。先の大戦の、インパール作戦だってそうだったじゃん。まぁ、本当に今の時代だとアホな社長が無能ですらないのに無茶な命令を下して部下が死屍累々なんてのがもうね、ホント20年以上も前の作品がまさか現代を予言することになるとはとても思えないんだよね。でも、ヤンなんて、まだ意見を言えるだけ現代のブラック企業よりマシかも。もう何を言っても聞きゃぁしない相手には我慢しかないもんな。でも失敗の責任は上層部は絶対取らない。
 しかし、民主主義のほうがクソであり、まだ専制主義のほうが名誉も矜持も重んじてもらえて、実力がありゃぁ取り立ててももらえる*1かもって田中芳樹の主張にはなにか深いものを感じる。所詮フィクションだけど。20年前より現在のほうがより市場原理主義で、より消費者の声*2が通りやすいって意味では民主主義の度合いが強くなっていると思うんだけど、こうも漫画と同じ状況がより酷く現れているのを見ると、もう政体とか考え直したほうがいいんだろうなという気がする。それが天皇制だとはとても思えないんだが、さて、どうすりゃいいのか…。

*1:先ほど述べたとおり、コネがなければ意味無いが。

*2:我儘