マッハGoGoGo 総感

 ようやっと終わったというのが正直なところ。話的には前半はもうなんというかストレスが溜まるほど酷い作りと感じていた。その原因は、散々言ってきたと思うがクリオの扱い。勝手にでしゃばって周囲を振り回す描写がもうダメだった。所詮子供向きの作品なんだから、隠れたメッセージを埋め込んだりせず、ひたすら娯楽に徹してもそれは正しいんだが、これはいけなかった。後半に入ってからは、クリ坊の聞き分けがよくなったおかげでイライラもほとんどなく、むしろクリオの密航を「まただよ〜」と笑い飛ばすことができるようになっていた。でもまぁそれで1話もしくは連続2話構成のストーリー運びが格段によくなったか?と言われると、それは無い。
 で、こうやって最終回まで見届けてしまうと、上記でも述べたとおり、当時貧しかった日本人に擬似海外旅行体験をさせる、当時はとても自家用車の購入余力がなかった貧乏人に車を乗り倒す姿を見せてスカッとさせる、で、スタッフの乗り物に対する深い愛情が頭に残る。細かい話の辻褄なんて気にせず、とにかく視聴者に夢を見させることを優先して作られていたのだろう。勢いだけの作品と言ってしまえばそれまでだが、やはり当時の日本に思いを馳せると、これはこれで正しかったのだと思わざるを得ない。
 というわけで、満足というほどではないんだが、一通り視聴し終わってなにか心に残るものはあったという感じかな。52話分も見るのはさすがに大変なので、ちょっと誰にでもお勧めできる作品ではない。やはりというかなんというか、いつも通りではあるが、GyaOがこの作品を選んだというのも、何気に評価できるような気はした。確かに戦後昭和のあり方を切り取った作品ではあるんだよな。