アタックNo.1 第63話 誤解のメンバーチェンジ

 有朋自遠方来不亦樂乎。
 負け犬からの再出発で「いい人」化したかと思われた白河だが、いつのまにかやな奴になってた。が、こずえの感化で再びいい人に。手を抜いて、韓国チームの的にされた山本がいい人化するのか?と思っていたんだけど、白河の会話に無言でいて、妙な間があったのにもかゝわらず、やっぱダメな人でした。
 自分が前回から気になっていたのは、肉離れを押して出場したこずえの行方。韓国チームとの対戦は親善試合といえども、日本国内では絶対にできない貴重な体験が得られるわけで、ある意味日本人同士の大会より充実した試合が出来るとは思う。しかも相手の韓国は何をさておいてこずえとの対戦を心待ちにして、非礼の無いよう十分な準備を整えて訪ねてくれたわけで、ただの勝ち負けを争う試合よりよっぽど格が高いと思うんだよな。だからこずえが、日本チームのためというよりは、まさにバレーのために試合に出場したいと思う気持ちは良くわかる。
 ただ、いくらそういう試合であっても、これからの選手人生を棒に振る振らないの重要事が待ち構えているわけで、本当なら非情な選択ではあるはずなんだよ。日本人的メンタリティーでは、試合中のこずえの台詞のように、刹那的感情で自己犠牲を払うことをありがたがる風潮があって、これは一見美しくとも、非人間的行為なんだよ。本当ならこずえが涙をのんであきらめなきゃなんない。相手の韓国チームもあきらめていたわけで、国際的に見たらそれが当たり前だったりする。
 さすがに特攻のように、自己意志より周囲の同調圧力のほうが強くて、実質強制的な自己犠牲とは違うものゝ、それならそれでこずえはあまりに軽薄な決断をしているわけだ。状況の推移とともにこずえの怪我には影響がありませんでしたという結果論にしているが、本当はナイーヴな問題のはず。次回予告によるとまだこずえの出番があるようだが、そこらへん注意しながら見守っていきたい。