コードギアス 反逆のルルーシュ R2 第23話「シュナイゼル の 仮面」

 あと2回ですか…感慨深いと言っちゃぁそうなんですがね。
 今回は結構のめり込むほどの感じで視聴しちゃっていた。確かにロボットガチャガチャの部分もあって、派手ではあるんだが、自分の目ではルルーシュシュナイゼルの対決という軸がはっきりしていて、それに沿っていると映ったからかな。
 シャルルのいたブリタニアは、今まで合衆国のメタファーなんかな?と思っていたが、ここにいたって、どうやらシャルルブリタニア大英帝国そのものなんかなという気がした。むしろ合衆国はシュナイゼル陣営。で、ルルーシュブリタニア大日本帝国ルルーシュに最初に叩かせて反撃で圧倒とか、WWⅡの合衆国そのものではあるわな。国民を洗脳して、その命を虫けらほどにも思わず使い捨てにするルルーシュブリタニアの在り様も、戦前・戦中の日本そのもの。でもまぁ、WWⅡ時の合衆国や大日本帝国を拝借していても、別に本当にそれを意味しているとは思えない。
 なんかフレイヤ弾頭が発射された瞬間に、ダモクレス要塞付近で爆発させてシュナイゼルごとふっとばしたらいいんじゃね?と思わなくもないが、さすがに要塞近辺はガチガチに守りを固めているだろう。シュナイゼル相手に一手足りないとルルーシュの台詞にあったが、まぁそういう設定ということなんだろう。あんま状況設定に振り回されるのは瑣末なことということで。
 前回までで、ナナリー喪失後のルルーシュ世界システムの組みなおしという予定に変更はあるのか?という点が気になっていたんだけど、けっこうあっさりと公人の立場を貫き通してきたなぁ。脱落は許さないというウザクの発言もあったけど、ルルーシュ本人にも引くに引けないだけの決断がなされているように今んトコは見える。
 ナナリーにも楽しませてもらったのだが、そもそも自分がシュナイゼルに利用されている存在であるということはわかっているんだろうけど、仮にルルーシュがナナリーの主張を受け入れたとして、その後のブリタニア運営を彼女はどうしようと思っていたのだろうか?。日経インタヴュー記事で、ルルーシュが努力をしないですべてを手に入れられると思っている若者のメタファーとあったが、ナナリーもまさしくそうだよな。せめて罪を背負いたいとか言って核爆弾の発射スイッチを貰っていたが、仮にシュナイゼルが勝って世界を手に入れたときに、まさしくナナリーは罪を背負わされて放逐され、後釜にシュナイゼルが座るだけだよな。戦いが膠着したときに、「私を無視スンナ、もっと構って」とばかりに、ちょっとだけの躊躇でボタンを押すナナリーは、やっぱ女神ヅラをして正論らしきものを吐いてはいても、非常に認知欲求が高く、同調圧力をかけまくる現代の若い女性層にありがちな姿ではある。まさかここで男だけでなく現代の若い女の醜さまでも描写してくるとは思わなかった。
 いろいろな感想サイトさんで、谷口監督作品であるガンソードのカギ爪の男の作ろうとしていた世界はシャルルが作ろうとしていた世界と同じという言及が多く見受けられた。そのときはちょっとした違和感を感じていたんだけど、可能性としてなくは無いわな。しかし、ここに至って、カギ爪の男の世界の可能性があるのは、1:シャルルの世界、2:シュナイゼルの世界、3:ルルーシュのゼロレクイエムの3つの候補が挙げられているようにも思える。自分では2:が一番カギ爪の男の世界と似ていると思うんだけど、正直ガンソードとの合致性なんてどうでもいい問題だよな。
 ん〜、ルルーシュがちょっとは成長したのか、それともやっぱり本質は変わっていないのか、どうにも微妙な描写である。まぁどっちみち後々の描写でなんとでもなるんだけどな。C.C.がルルーシュを支えたり、かといって、やっぱり表情・動作としては彼を見限っている様子とか描かれちゃっているわけで、シュナイゼルの世界もルルーシュの世界も実現されず、ブリタニア皇族は世界から一掃されて物語は終わってしまいそうな感じを受けるが…。
 ここ数話に至って、夫婦漫才を繰り広げていたロイドとセシル*1の立場があがってきたよな。エンドロールでも上位だし。作品中もっともおどけものだったロイドが、実は立場に振り回されず一番冷静な判断・行動をとっているわな。まぁ狂言回しって立場なんだろうけど。出番がそんなになかったので、唐突感は否めない。ブリタニア全崩壊後の立役者は彼ら二人になるんだろうかね?。

*1:ロイド保険とセシルローズ(ちなみに男)から名前を拝借しているように思うが。