夏目友人帳 第8話「儚い光」

 小動物に好かれやすいのかね。
 なぜ章史にホタルが見えなくなったのかずっと考えているんだけど、どうなんだろうね?。心が満たされたからなのかな?と考えて見ても、別に彼に妖怪が見えていたのは心理的欠乏感が原因ではないっぽいし、そもそも妖怪が見えるからつらかったと言っていたわけで。山神様と人間の娘の恋物語も、どうも人間の寿命が短すぎて成就できなかったんでねぇの?と思わせるところからすると、見えなくなるということよりは、異種婚が成就しないというテーマありきだろうな。
 夏目がキヨと名付けたけれども、それはホタルの未練タラタラな「好きよ」という台詞の一部分だったという…。「おれは章史さんじゃないよ」と言わしめた行動だって、ブラフっぽいよな。確かに報われない気持ちを夏目に慰めて欲しくての行動とも見えるけども、蛍の心を掴んで離さなかったのは、見えなくなってもいつまでも蛍に執着し、会いに来てくれた章史そのものだったはずで。なんというか、視聴者をたぶらかすというか、混乱させてスグには意図を悟らせない仕込みがたっぷり。
 全体を見渡してみると、章史を祝福したいんだけどなかなか吹っ切れない蛍を、第三者の夏目がその報われない心情をわかってやることで、ようやく成仏?したという構成*1で良いのかな?。今回のお面の意味はわかりやすかったわな。

*1:前からいっていることではあるんだけど、アヤカシは被抑圧層などのメタファーで、今回も身分違いの恋みたいな実際の男女の悲恋モノと見ていいと思う。突然見えなくなったのは、親だとかの第三者によって引き裂かれたとか、そういう世の中に溢れる分離状態を言い換えただけだろう。正直骨格を見渡すと単純な物語のような気はする。でも何度も泣かされる…。