恋姫†無双 第7話「張飛、関羽と仲違いするのこと」

 で、結局張飛の占いが当たってたっていうこと?。
 許緒、張遼の登場回。つい最近気が付いたのだが、これ1クールならほとんどキャラ紹介だけで終わっちまうんじゃね?、ということ。次回黄忠関羽陣営は出揃うっぽいが、まだ孫権陣営の登場が控えている。紹介し終わったら、あと残りは2〜3話になるわけで、どう展開するのか不思議に思う。まぁそうは言っても、このアニメも全年齢に只今展開中のエロゲの販促と考えれば、それでいいのかも。正直関羽張飛の世直し旅というラインは守られてはいるので、それ以上この物語に期待するのもなんだかなぁといったところだろう。原作ゲームが三国志の英雄たちを萌えキャラに仕立てて、そのおねぇちゃん達と遊ぶだけのものだというのなら魅力的なキャラ紹介で十分といえる。
 さて、今回の話だが、旅にはありがちな衝突から始まった。学生の頃、海外旅行などをすると、旅先で意気投合して集団になったりすることがあった。旅自体が目新しいものを求めるという性質があるわけで、見知らぬ人と出会うことも一つの楽しみなのである。自分が不慣れであると、その土地に詳しい人と一緒になるのはかなりありがたかった。
 しかし、一定期間一緒になると飽きてもくるわけで、付いていくのも付いてくるのも面倒になってくる。よっぽど意気投合して長期間同行することもあるとは思うのだが、離合集散は旅の習性みたいなものだ。些細なことで別れもするし、同行もするが、旅慣れてくると別にあとをひく事も無く、あっさりとしてくるものだと思う。
 個人的な話で申し訳ないが、海外旅行にしたって、自分のように時間に制限がついてくると、気楽に旅先で知り合った人と同行して予定を狂わせるわけにもいかなくなってくるわけで、自然と個人行動が保たれるように気をつけることになる。また、今だと、交通機関を利用するにも宿泊施設を利用するにも予約が前提のところが多くなってくると、気侭な旅というのがやりづらくなりかねない。昔と較べてそんなに不便になっているという気もしないのだが、一人旅だとそういう旅の手続きの点では非常に融通がきくというか、気楽だ。しかし、やっぱり限られた時間を有効に利用するために、できるだけたくさんのところを見てまわりたいという動機も強く働く。ホント一ヶ月単位で行動したいもんだよなぁ。
 で、そういう長い期間だと、周期的に旅先で知り合いが欲しくはなってくる。食事をするにも、話し相手というだけでなく、ヴァラエティ豊富なものにできるしな。お互いの知識の補完をしたりで、いわゆる“馴れ合い”だけでない功利的な部分も十分にある。で、適当な所でお別れ。旅のあり方としては、むしろ今回の話の馬超のようなあり方が自然だ。はじめのケンカ別れにしたって、分かれ道での占いはきっかけ、もしくは儀式に過ぎないわけで、「じゃぁここでお別れしましょう、機会があったらまたご一緒しましょう」ぐらいになる。
 だからといって、今回の話の関羽張飛のケンカにリアリティがないとか言うつもりはない。最後結論として“義姉妹”と言っていたように、関羽張飛の場合、彼女たちは単なる旅の仲間ではなくて運命共同体になっている。そもそも関羽は身内を殺されて天涯孤独の身であり、張飛だってもとはギャングスターの頭目といえども、彼女自身は身寄りのない孤児だった。OPで提示されている通り、関羽は時代によって傷つけられた民衆のメタファー、張飛は時代に見捨てられた民衆のメタファーで、それぞれ社会のアウトサイダー同士が手を取り合って世の中を改善していくという構造になっている。まぁ現代の日本人が自民党によってほとんどが中流から下層民に叩き落とされているわけで、アウトサイダーというのは今やマイノリティではなく、マジョリティーになってしまっていると思うのだが。とにかく、共闘すべき立場の二人が喧嘩別れするのは、旅の性質からいうときわめて自然ではあるが、境遇を考えると仲たがいしている場合じゃないだろ!というのが今回の主旨だ。張飛がそれを再確認したという描写は一つもないのだが、姉弟が仲睦まじく暮らしている様子、それをかき乱す社会不安、で、敵に現れた用心棒ですら卑劣な手段を嫌って、平和な世の中を維持しようと行動している様子を見るにつけ、とうぜん自分の置かれていた境遇や旅の目的を再確認せずには置かれなかったはずだろう。だからこそ張飛関羽と再会した時に、駆け引きも意地っ張りもすべて排除して真っ先に抱きついたわけで、そこらへん自分にはほとんどすべてが繋がって納得させられる構成になっているな…と思わされた。
 というわけで、華蝶仮面の話に一言も触れずに感想を書いてみたが、どうか?。