アフガンの邦人殺害で妄想が膨らむ。

 まぁ、おとなり日記を訪問しながらつらつら考えてみたんだけど、やっぱアフガン側の苛立ちがよくわかるわ。自民党政権ペシャワール会も同じ日本であって、アフガンから日本を見ると、自民党の給油活動でアフガンは大層イジめられているんだけど、それで傷ついたアフガン人を同じ日本人のペシャワール会が手当てするんだろ?。はじめっからアフガンをイジメさえしなければ、傷つくことも無いわけで、右手で殴っておいて左手で傷口をいたわるって、アフガンにとっては何の冗談か?と思うわな。
 さて、NGO職員だが、さすがに自己責任とまでは言わないが、あまりにイノセントすぎたという気はする。人を救いたい一心というのは美しいと思うのだが、護衛もつかないのにほとんど身一つでやってきて、そりゃ治療をされるほうはありがたいとは思っているのだろうが、彼が救っていたのは貧しい人々である。貧しい彼らがどう思っていたのかを想像するとアレだが、日本に住んでりゃアフガンよりよっぽど安全で贅沢な生活ができように(日本についての知識があれば の話だが)、ほとんど何の報酬も得られないのに何を好きこのんで治療行為をするのか?。日々生きるだけで精一杯の人たちがNGO職員を“同じ人間として”眺めた場合あまりに奇特に映っていたに違いない。
 で、アフガンの人を救うことに血道を上げていたのも、どう考えても生活のためとも思えず、敢えてオブラートに包んで言わせて貰えば、自己実現だの使命感だのにあまりにこだわりすぎていたとしかいいようが無い。ただ、あるサイトでは帰国が早くても12月になってしまうので、治安の悪化を考えるととても不安というメールを友人にしていたようなので、これが本当なら危険性は十分察知しており、できれば退避したかったと考えていたのかもしれない。
 で、彼の31という年齢を考えると、なんか純粋すぎて突っ走ったとも言えないのかなという気がひしひしとする。アフガンで身を危険に晒すぐらいなら、同じ人助けなんだから日本で福祉に従事しろとか書いてあるブログがあって、げんなりした。むしろそれが嫌だから海外に飛び出したんでしょうが。どうせ低賃金だし、アフガンのほうが絶対的な基準において悲惨だ。それこそ彼が大学をストレートで卒業したとして、それは9年前ということになるのだが、その1999年は昨日も触れたとおり、景気がドンと冷え込み、倒産件数も自殺者数もぐんと増えた時期だ。トヨタの下請けイジメ、ブラック企業の認知、キれる子供、クレーマー・モンペ(この時代にはモンペという語はまだだと思うが)、採用試験も圧迫面接がレギュラーになっていた頃だし、派遣解禁前で、とにかく圧力をかけて正社員の馘きりを断行していた最中だと思う。今もそうだが、あの時期から日本で働くことに夢はなくなっていたといっていい。そういう世代だ。本当の意味での物質的貧しさに喘いでいる国の人を救うという名目で日本から逃げていたとしても責める気にはなれないな。
 で、ペシャワール会は、現地の非営利組織でも、特に信用度が高い組織だったと聞く。とにかく欧米人であるだけで敵視されるので、日本人の組織は現地の情報は抜群に詳しかったし、欧米人が行けないところにも日本人なら行けたと聞く。正直現地の人に頼りにされているという安心もあったのだろう。だから治療行為でアフガン人の命を救っている日本人が殺される可能性はほとんど無いと油断もしていたのだと思う。
 自分は人助けをしているのだという自負が国際情勢の急変に鈍感にさせていたのだとしても不思議は無い。だから、日本国政府も、本当に自国民を守るということを考えているのであれば、退避勧告をするだけで満足せず、日本人を殴って昏倒させてでも連れて帰るべきだった、と後付けでならいくらでも言える。イラクで拉致された3人も、かなり日本政府の放置とも思える態度に非難が集まっていたし、最近でもイランで行方不明になった学生もいた。三度目の正直で、やっぱり気絶させてでも連れて帰るべきだったと言える。
 しかし、外務省というか政府としても甘えがあったのだろう。実績のあるペシャワール会の活動は、はっきりいって政府にとってはカネをはらわなくても勝手に日本の貢献度を上げてくれる便利な存在だったのだ。護衛すらいらないわけだから、これは国際貢献という成果をまんま政府がやらずぼったくりで日本の評判を上げてくれるわけだ。ウソか本当か、アフガンの日本大使館員はほとんど外に出ずに業務を行っていたらしい…ということは、ペシャワール会から現地情報をかなり受けとっていたに違いない。かといって大使館員が腑抜けと言うのは憚られるだろう。アレだけ治安が悪いのだから、外に出るほうがバカだ。
 で、多分周辺諸国の情報は大使館員のほうがよく把握していたんだと思う。現地の職員がすべて衛星通信を使っていたとも思えないし、使っていたとしても日常の業務で触れる機会もほとんどなく、得られる情報があったとしてもごく少数だろう。現地のピンポイントな情報は現地の職員が知っていても、たぶん隣町より遠い地域の情報はまったく知らない状況だったと思う。だから、大使館員ももしかしたら、緊急避難を呼びかけようとしたのかもしれない。まぁちょっと気が利く外務省職員ならそのぐらいは考えていたとしてもおかしくない。なにしろ現地の民間人が殺されたら、「また外務省が役立たずだった」といわれるのがオチだ。
 で、ここからが恐ろしい予想なのだが、外務省は大使館員あたりからのそういう情報を受け取って、自民党にお伺いを立てたに違いないのだ。で、これは私の妄想という形ではなく、誰か本当に政治屋に近い人がバらして欲しいのだが、たぶん外務省を通じて現地に出した自民党の指令が(あからさまではないにせよ)「見殺しにしろ」だ。その結果が町村の「テロとの戦いの断固貫徹」なわけで。
 外相の高村は高村派の領袖だそうだが、自分の年代から言うと「河本派」のほうがしっくりくる。まぁその時分には今ほど政治に興味は無かったが、Wikiで見ると、もとは三木・松村派で、松村派が脱退、田中派全盛の頃には田中派にくっつき、最近で言えば小泉人気にあやかって、清和会にくっついて命脈を保っている。ある意味泳ぎ方が上手ともいえるが、その高村が外相として極力テロとの戦いについては発言を回避し、邦人殺害だけを非難するという、まことに政治家としては正しい発言の仕方に終始している。
 が、これが清和会町村はホント歯に衣着せぬというか、頭に浮かんだことをそのまゝ言うというか、自分の欲望に直結することにスゴク素直というか、もう、ホント邦人が殺害されたから国民の皆さん愛国心を発揮して戦争に突入しましょうというホンネが隠されもされていない。もう清和会といえば捏造大好きの小泉安倍なわけで、日本人が殺害されて待ってましたとばかりにテロとの戦いを喚きたてているわな。清和会というか自民党といえば合衆国にカネを貰ってつくられた組織であって、その合衆国は真珠湾攻撃を日本のだまし討ちと演出して見事国民を戦争の興奮の坩堝に叩き込むといった工作を成功させた張本人で、その手ほどきを受けていつか自分も使ってみたいと思っていたに違いない。
 きっとこれでまたインド洋無料ガソリンスタンド法案が延長しやすくなったと大喜びしていると思う。正直内情を知っている自民党代議士も、清和会の連中はよくぞ日本人が殺されてくれましたと大喜びだろうが、そうでない代議士はいつバれるのか、本当にこんな国民を切り捨てるような方法まで使って政権を維持しなきゃなんないものなのかと冷や冷やだと思う。ごく最近まで、インド洋無料ガソリンスタンド法案は自民党内でも強行採決はなしにしようぜという意見が出ていたぐらいだし。民主党にかけた離反工作も成功したしと有頂天になっていることだろう。
 なんというかね、こういう清和会のやり方ってのが本当に国民をバカにしていて、そんでもって某巨大掲示板などでは殺されたのはNGO職員の自己責任という絶叫が自民党工作員によって大量になされ、で、幾分かの日本人がそれにダまされる。これでテロとの戦いにまだ巻き込まれようとでもいうのなら、すぐにでも革命を起こして自民党員を首チョンパしたほうがいいんじゃね?。
 まぁうだうだ言ってきたが、要するに、もうアフガンからは完全に手を引くべきだと思うがね。本人らは自力で復興とかいっているわけで、もう任せちゃったほうがいいじゃんかと。日本も余計なカネをはらわなくて済むんだろ?。どうせ自民党キックバックがないと不満で、どうしても国際支援名目で税金を出動させたいんだろうけど。