アタックNo.1 第14話 捨て身の一球

 チートで優勝。
 まぁそうは言っても一回は自分もそれでやられていて、何度もチートを使って勝つのではなく、たった一度という節度は説得性があると思う。そして何より正確にトスを上げられるってのもなかなか出来ることではないんだよな。その積み上げとしてのピンチサーバー中沢ってのもよく考えられている。というか、最終セットのキモはツインテ池谷の登場で、富士見学園中が福岡中に追いつくところなんだけど、そこは描かれなかったな。ついでに言わせてもらうと、福岡中がどうやって相手を翻弄していたのかの説明も無かった。物語の進行上必要なものではないんだけど。いや、興味があったので。
 瑣末なことだと思うんだけど、前回の精神安定に「なぜにベートーベンの第五?」と思っていたんだけど、観衆の声援に近い選曲とは恐れ入りました。昔の放送機材で、望遠レンズがズームではなく、回転切り替え式というのも面白かった。
 本郷コーチの「最後の一球は作戦を使ってもよい」という言外のお許しが出て、その意味を悟って臨機応変に対応した鮎原という描写もなかなか泣かせますな。今まで作戦を使ってなかったからこそ相手はまさかであり、スタッフがまさにこの一球のために構成を錬りに錬ったというのがよくわかる。
 正直あれだけ低迷していたバレー部が一年ほどで全国優勝ってありえないんだけど、第1クールの最後を飾る結末として、とても美しかった。