いきいきホットライン

 先週の裁判員制度のお話は、わかっていても酷かったなぁと。結局自民党が自分に都合のよい裁判員を選ぶだけじゃんと。んHKに圧力をかけてワープア特集を圧殺しようとしたり、統一教会とのつながりが強いわけだから、彼らに都合の悪いワープア層や共産党支持者、その他反自民の国民を裁判員にしたりしないだろうと。裁判員が関われる裁判の種類があるらしいが、いくらアメリカの年次改革要望書通りに従っただけとはいえ、自民党が自分に有利なように制度を運用するだろうしな。裁判官も出世のことを考えたら与党よりの人間が多いんだろう。国民も巻き込んで、「一般の国民も裁判に関わって判決を出したんだから、つべこべ言わずに自民党の指示に従え*1」という方向性になるんだろう。
 で、今週は男性も子育てに関われというお話。今日は父親として子供と関わるといいことがあるよという展開。確かに微笑ましかったのだが、それも父親として子供と関われる時間があってこそ。WE法が控えている現在、父親は仕事に汲々として、子供というよりは家庭にすら関われず、結婚すらできないというか躊躇している状況で、どれだけ現実味のある話なんだろうか?。もしかして、仕事も残業手当なしに深夜まで働いて、子供の面倒も見ろというお話なんだろうか?。
 そもそも、17時台という放送時刻からすると、前から言っているとおり対象聴取者層は専業主婦なわけであって、ラジオで父親も子育てに関わると良いというイメージを植え付けて、「なんで世間は父親も子育てに関われといっているのに、うちの夫は子供に構わないのか」という流れを創出したいのだろうか?。子供をたくさん持てば持つほど、金がかゝる構造で、そこらへんの考慮無しに仕事も低賃金長時間拘束というのでは、ミスリードとしか言いようがない。
 しかし、番組ではそこらへんに注意を向けずに能天気なことを言っているばかりではなかった。現在の日本では自殺者の70%以上、過労死の90%以上を男性が占めておりという数字にはびっくりした。高度経済成長期もある意味幸せな時代であったという言及で、男は働くことだけ考えていればよかったが、今の時代は男性も働くだけでない、自分の生き方をじっくり考えることのできるステージに入っているとも。
 ガンスリなんかでも、イタリアの家庭は家族を大事にする描写があったりするが、金はそんなに無くとも家族を大切にしていく人生を歩むのか、日本のように、ある程度金があっても家族はバラバラの人生、しかも現在では長時間労働をしても満足に暮らせない給料しかもらえないで、自民党からは奴隷のようにこき使われて捨てられる人生を送るのかという視点は大切だとは思った。子供が親の背中を見て育つといわれた時代、それで家庭生活を犠牲にしてまで日本を豊かにしていったという時代はもう終わりなのだという指摘はなるほどと思った。
 まぁマスコミは年収1500万とか言われるが、そもそも過剰生産力を持て余して、いらない製品を押し売りするようなことをしてまで利益をあげなきゃなんないというのがおかしいわけで、しかもその利益は漏れなく全部政財界に吸われて、実際に利益を生み出した末端の労働者には行き渡っていないわけで、必要のない労働力は国民に返すべきなんだよな。特権階級の懐を潤したご褒美に年収1500万ってのは、労働者を不幸にして手に入れた不正な財産だわな。
 全世界的にみて現代は、人口増加が止まらず、資源は限られており、無限に拡大する土地があるわけでもないわけで、そりゃ人が人を喰うような競争をしていたら、遠からず破綻するのは見えてるわな。父親による子育てを考えるのなら、その父親に生活を支えるのに充分な報酬と余裕を持ってできる仕事量、その帰結として得られる豊富な自由時間が与えられない限り無理だ。今日のゲストは口に出してこそ言っていなかったのだが、今日はそれが最大の主張だったのだと信じたい。

*1:自民党に誘導されて行きついた結論なのに、いつのまにか国民自身が決めたことになっているというカラク