笑うしかないのか。JMM最速。

 ■Q:848

 道路特定財源暫定税率が延長・継続された場合、国民のどの層が利益を得て、どの層が損をするのでしょうか。

 寄稿者のうち、暫定税率継続賛成は、メリルリンチ、ゴールドマンサックスの人だけ。あとは廃止すべきか、よく考えるべきという意見。うーん、わかりやすいというかなんというか。経済効果からいうと、学者は大抵余剰資金の還流という視点から経済活動は活発化するという視点を取り、普通は暫定税率廃止に賛成するハズなのだが…。外資ってよっぽどオイシイと見えるね。
 自分自身は暫定税率の廃止はするべきだとは思っているが、実は道路工事自体は身の丈にあった程度に継続すべしという立場。日本だと、結構道路の維持にコストがかゝるわけで、それに必要なだけの予算は組むべきだと思っている。ストロー現象から言うと逆なんだが、そろそろ都市から田舎への人口移住を真剣に考えないと、国土の有効利用の点から言ってももったいないし、将来起こりうる都市部の超高齢化による諸問題の弊害は大きいと考える。そのために田舎での道路事情が悪いというのはちょっとね。ただ、田舎の高速道路整備の様子を見ていると、どうせ交通量のことを考えたら、片側2車線の計4車線道路に初めっからすべきところを、まず片側一車線で工事し、あとで道路幅拡張をするという、どう考えても過剰に存在する土建屋のための無駄な延命措置としか思えないことをやってきているわけで、そこらへん金の使い方がまず問われないといけないと思う。
 ガソリン代が安くなって、ガソリンの消費量が増加するなんて言っている外資屋がいたが、何考えてるんだと。25円程度安くなったからといっても㍑130円になるぐらいの話で、これは3〜4年前にガソリンが高騰したときの水準。それより前から消費者は燃費を意識して自家用車を購入していたわけで、暫定税率が廃止されてもまだまだ充分高いと思っているわな。高くなったからといって消費を控えるにも限度はあるし、安くなったからといってアホみたいにはしゃいで消費量を増やすとも思われない。ここで環境税につなげたりする論法もかなり胡散臭い。
 まぁここは村上龍のあとがき(といっても冒頭に記述されているのだが)が象徴的ではある。

 Q:848への回答ありがとうございました。ハウステンボスに滞在するとき、近くの専門店まで新鮮なイカの刺身をよく食べに行きます。ハウステンボスからそのイカ刺し専門店までは車で20分の距離ですが、驚くべきことに、一般道の他にバイパスが通っています。正確ではないですが、確か通行料金は100円でした。その道路を使う地元の人はほとんどいません。バイパスの出入り口には非常に立派な事務所が2棟も建っています。誰もこの道路は使っていませんね、と運転手に言うと、ここを通るのはハウステンボスからイカ刺し専門店に行く村上龍さんだけじゃないでしょうか、と言われました。

 きっと全国に同じようなバイパスや道路がたくさんあるのだろうと思います。ただ、長崎に住む友人の土建業経営者から聞いたのですが、道路建設が今後減っていくと、今でもその数が多すぎる土建業者は、路頭に迷うだろうということでした。小渕政権のばらまき政策のあと、小泉改革公共工事は激減したが土建業者数はそれほど減っていないので、じわじわと真綿で首を絞められている状態だそうです。会社を整理するにも資金や多大な手間が必要だし、従業員の再就職先探しは絶望的だと彼は言っていました。このままでは「国破れて道路あり」というか、財政に余裕もないのになぜか道路だけを熱心に作り続けてゆっくりと衰退・没落していった奇妙な国として日本は歴史に残るだろう、と土建業者が自嘲気味に苦笑する様は、本当に異様でした。