OverDrive 第26話 「You never know what you can do till you try.」

 ヲマエら、本当にタかるのかよ!。
 前半、ツッコみどころ満載だったんだけど、中盤からのまとめは秀逸。とはいえ、いじめられっ子だったことをスルーしている件や、ミコトが散々御託を並べておきながら、結局結論は「女が欲しかっただけかよ!」というのには萎えた。ただ、ミコトを中心に周囲が変わっていったという視点は面白いし、今のブラックな組織に見られがちな、“能力もないのに恐怖政治で周囲を振り回すリーダー”との対置がなかなかよろしい。四つ葉のクローバーを引っこ抜かずにそのまゝ残しているのは、オイしいところを独占しようとしない態度で、心洗われるような気はした。
 嘉穂の入部をいれてきたという事は、やっぱり第二期確定っぽいですな。嘉穂をダシにミコトが成長する場面も見たいんだが、それから後が今一なので、やっぱり微妙。大和くんと母親との絆がまた泣かせるんですけどねぇ。
 最后キレイにまとまりはしたが、やっぱり全体を振り返ってみると中盤以降がダレダレで、自分的には構成がNG。間延びしすぎ。前半がミコトの成り上がり物語としてよくできていただけに、後半どうやら自転車レースの観戦ガイドみたいになって軸がブれていた。極めつけは恋のAtoZ。あれで今作品の評価がグンと落ちた。正直後半は半分の尺でいいと思った。成長モノと見ても自転車モノと見ても中途半端で、かといって両者がうまく融合できているわけでもないと思う。マラソンでもいいわけですよ。
 文句ついでに言わせて貰うと、やればできるというのも無責任なキャッチフレーズなんだが、そういうメッセージを押し出しているようでありながら、きっかけは降って湧いてくるのを待っていただけだし、ミコトの芯の強さをそんなに表現できているとも思えなかった。他キャラのエピソードも泣けるものはあるのだが、どうも散発的でまとまりがないというか。結論に繋ぐのならもうちょっと人と人との関係性に絞ったほうが良かったような気がする。
 で、評価はむずかしいな。最后のまとめがお話にならないモノだったら文句無しに普通にしてたんだけど、おもろ−ぐらいでもいいかと思っている。人に勧めるにしたって、自転車モノとしては全然ダメ*1だし、ミコトの成長モノとしてみてもあまりに中間以降で飽きられそう。実はミコトがレース中に気が朦朧とする場面は競技者の心理状態としてよく表現できてはいるとは思うんだけど、きっと9割ぐらいにはわかってもらえなさそう。この場面で「なんでこの作品がお勧めなんだよ!」と文句を言われること必定なので、客観性をもとにしたら普通にならざるを得ない。仮に自転車に興味をもったとしても、こんな仲間に出会えるわけないじゃん。

*1:解説が間違っているとか、そんなんじゃないんだけど。