ロミオ×ジュリエット 第17話「暴君 〜漆黒の因縁〜」

 目下のものを殴る時には手の甲を使って…。
 うーん、わかんないな。正直この作品に対する視聴意欲は減退しているわけなんだが、まぁなかなかどうして最後まで視聴して判断を下さなくちゃなんないわけで、どうにも歯がゆいというか。確かに視聴者の意識を昂揚させるエピソードだけ並べ立てられても、それはそれでリアリティがないし、かといって今の展開も「世の中得てしてそんなもんだよ」というようなものでもなくって、どうにもげんなりではあります。
 キャピュレットの私生児がこれまた私生児を生み、憎しみの連鎖から抜け出すための方策が血縁関係を結ぶこと…っつーのなら、ちょっとちゃぶ台をひっくり返したいような気分です。ジュリエットが剣を受け取った辺りでの決意も「またかよ」というイメージですし、ジュリエットの目的自体がロミオと結ばれるという自分本位の範囲で終始しており、周囲の感情も、情勢の改善も全く無視って感じですもんね。ただ、ジュリエットが何もかも承知の上ですべてを引き受けるっていう聖女の役割が持たされておらず、冷静な判断力をまだ得ていないってのは読み取れたから、ここらへんまだまだ精神的放浪の段階なんだと思う。ただ、ジュリエットにとって今の経験なりがあとあとの行動の基盤になっていくって感じは見当たらなくて、かといって別に物語がハッピーエンドで終わる必要もないんだけど、ちょっとストーリーの狙いがつかめなくてもどかしいっちゃぁもどかしいですわな。
 吉田玲子が脚本を担当しているあたり、まだまだストーリーが迷走しているのかどうかは判断がつかないんだけど、キャラ達の動機付けに視聴者として「そういうこともあっておかしくないだろう」といった納得あたりは感じられなくて、また物事の両面性なんかも表現できているとも思わなくて、どうにも落ち着かないんだよね。恋愛はわりとキレイ事で描くのに、では感情の負の部分がスッキリ描かれてないってのが不安でね。エウレカの中間部分が物語の結末に向けての充電部分だというのがはっきりしていただけに、そうでない作品ってだけのことなのか、それともストーリーの収拾がつかなくなっているだけなんかすら判断できないのは視聴者の一人としては情けない限りかもしんない。
 ただ、こういう流れだと視聴者にストレスが溜まるだろうなってのは監督なりストーリーラインスタッフなりもわかってやってるんだろうと思うんですよね〜。