で、日本の国際的地位は実はかなり下がっているわけだ。

 情勢が見えにくかったのだが、ここに至ってようやく雲が晴れてきてはっきりしてきた。まだまだ中国にもリスクはあるが、どうも経済的に日本は中国に追い抜かれたっぽい。円安だの円高だの騒いでいるのは日本人だけで、しかも円安誘導で儲かるのはトヨタやキャノンのような輸出産業でしかない。それも税制的にかなり優遇された上での話だ。ということは、別に彼らが日本を支えているわけでなく、彼らの儲けのために日本が支えてやっているという構造に最早かわっているわけだ。
 おりしも原油をはじめ鉄鉱石・石炭・各種農産物など値上がりしてしまって、むしろ日本にとっては円高で鉱物資源・化石燃料を安く手に入れることのほうが重要になってきていると思う。トヨタも国内の新車販売が落ち込んでいて…という話を数ヶ月前にしていたぐらいで、最早トヨタが日本に貢献しているってことなどなく、むしろ日本を食い物にしているという風になっている。この地震騒ぎで全工場が止まったらしいが、利益追求のために効率化した結果、リスク管理すらできていないという無様さを晒すことになってしまった。
 キャノンのデジカメも新製品の開発サイクルをあげても、日本人ですら買い換えるのは少なくなっているだろうし、海外工場の労働条件の悪さで海外での人気も降下中。経団連や同友会が自分たちだけのことを考えて法人税減税をゴリ押ししてきているが、どうせ減税分は彼ら経営層の懐に入るだけなんでやめたほうがいい。法人税を下げたら日本から出るといっているらしいが、どうぞ出て行ってくださいと言った方がいいだろう。某巨大掲示板でも言われているとおり、“出る出る詐欺”でしかない。
 というわけで、小泉改革でバブル以上に会社の売り買いという“虚業”化が進行したおかげで、構造不況が一層後戻りできない段階まで進んでしまった。半導体分野での加工技術ももう日本の独壇場ではなくなってきているし、製品は売れなくとも加工技術を売りに新製品を送り出す力も弱ってしまった。携帯端末を欲しがる若者はいても、携帯端末の開発を志向する若者は全然いない。自動車があこがれだった40年ほど前とは大違いである。しかも無理こ矢理こ買わせた携帯端末も契約者の4割は使わないそうだ。通信規格の違いで日本の携帯端末はどうも海外での売り上げがほとんど壊滅状態で、日本の先進性とやらはどこへ行った?状態である。車にしてもデジカメにしてもそうだが、あぁマイコンの轍よもう一度である。(PC・FM・X(mz)のアレである)
 結局バブル後の10年は「失われた10年」と呼ばれているが、2000年以降の10年も「さらに失われた10年」になりそうである。最早人民幣の切り上げは噂になっても日本円の高低は国際的になんも言われなくなった。もちろん対欧州通貨(ロシア)、オーストラリア・ニュージーランドは言うに及ばず、アジア通貨に対しても日本円は安くなっている。ドルだけを見るとここ2〜3年でほとんど変わらないが、別の通貨だとほぼ50%ぐらいは変動している通貨もあって、これから海外製品は値上げに次ぐ値上げの段階になってくると思う。アジアでの基軸通貨の地位が逆転している段階ではないか?と思う。
 まぁ給料の切り詰めは今後も続くだろうし、日本の商品は海外依存度が高いので、かなりの確率でこれからインフレになっていくだろう。住民税はともかく、消費税の税率アップなんてしたらそれこそ日本人が日本製品を全く買えないようになるかもしれない。いやもちろん今の権力層や経営層はしこたま私腹を肥やしているので懐はあんまり痛まないだろうが。まぁこれは今威勢のいい民主党あたりが政権をとってもどうにもならないことなんで、そこらへん覚悟しといたほうがいいと思う。もちろん自民党など論外で、それこそ盗っ人に追い銭をやるようなもんだからなし。維新政党新風もよさげと思ったんだけど、あまりにも極右傾向が強くて全く経済オンチっぽいので危なっかしいね。まだその時期ではないと思うんだが、経済封鎖を受けても貧しいなりにやっているキューバあたりを見ると、早くて5〜6年後ぐらいに共産党の大量議席獲得って光景が見られるかもしれない。それも避けたいんだけどなぁ。
 実は今週末に海外、しかも中国に行ってくる予定です。田舎に行くのでネットはできないかもしんないです。もちろんアニメ視聴なんてもってのほか。選挙?、期日前投票に行ってきましたよ。もちろん自民党はなしの方向で。それでも自民党が結構議席を獲得しちゃったりするんだろうな。